京の都で男女が出会うと





マジ? 並んで座った講義室。教授待ちの間に聞いたその意外な真実に、ユールヒェンはきょとんとした。 それに頷いて、フランシスは自分を親指で示しながら。
「ほら、俺柔道しているだろ」
こう見えて、彼の柔道歴は長い。 薔薇を咲かせた正装姿を目にすると、案外鍛えられた筋肉がついていることが見てとれる。
留学前には幾度となく大きな大会にも出場しており、 その学生柔道の国際交流会に、菊も参加していたらしい。 階級は違えど、同じ年齢だけに顔を合わせる機会も多く、共に大会の参加常連者であり、 何度か会話を交わす内に、気が付けば互いに気の置けない間柄になっていた。
「菊ちゃん、結構強かったんだよ」
何度も国際大会で入賞していたし、肩を故障して柔道から離れちゃったの、本当に惜しまれていたんだよ。 まあ、実力なら、俺だって負けないけどね。お兄さんの寝技、凄いんだから。ユールちゃん、試してみる?
きりりとした顔で手を差し伸べるフランシスに。
「柔道種目は男女別だろ」
ルールはきちんと守らなくちゃな。反則になるぞ。不戦勝で俺様の勝ちな。
不埒者をすっぱりと切り捨て、ふうんと頬杖をつく。 そう言えば、以前抱きついた時も、服の下の身体は存外しっかりとしていたっけ。 一見すると、女のこっちよりも体重が軽そうに思えるのにな。
「なーんか、意外だな」
顔立ちだって中性的だし、おっとりしてて、頼りなさそうで、 それこそ暴力とは無縁の、虫も殺さないような文人タイプなんだけどな。 あ、でも家庭内害虫は退治したっけ。あの素早い動きは、あれか、柔道で培ったのか。柔道すげえ。
「日本に留学が決まった時も、いろいろお世話してくれてね」
本当に親身に相談に乗ってくれてさ。菊ちゃんの地元でもあるし、流石に詳しくて助かっちゃった。 優しいし、気が利くし、律儀だし、素直だし、怒ったところを見た事無いし、すっごく良い子だよ。
「その上可愛いくて、色っぽかったりするんだよね」
もうお兄さん、柔道時代の彼が心配でさー。だって、周りはごつい男ばっかでしょ。 ほら、いろいろあるじゃない。判る?
「殺すぞ、てめえ」
頬染めるな、ハアハア言うな、脱ごうとするな。 老若男女自分の美意識に嵌れば誰にでも盛る、お前が一番危険だっつーの。
「お前、絶対あいつに変な目、向けんなよ」
妙な真似してみろ、ただじゃ済まねえぞ。 じろりと睨みつけて忠告するユールヒェンに、によっとフランシスは笑う。
「気になる? 菊ちゃんのこと」
「まあ……世話になったしな」
ふうん。鷹揚な仕草でゆるりと腕を組み、顎に手を当て、実に楽しそうにフランシスはユールヒェンを眺める。 そうかあ、うんうん、成程ねえ。
「同じ大学に通っているのに、なかなか会えないんだよね」
菊ちゃんの学部って、殆どが隣の棟での授業だからさ。 それこそ、何か理由もなければ、あえてあっちの校舎まで足を運ばないし。 まあ、メールで連絡でもすれば良いんだけど、でもちょっと寂しいよねえ。
含みを持たせた声に、いらっと眉を釣り上げる。うるせえ、てめえ、何が言いたい。 不機嫌に顔を顰めるユールヒェンに、ウインクを一つ。
「俺さあ、菊ちゃんに借りたDVD、返そうと思って今日持ってきているんだよね」
ほら、これ。鞄の中から取り出したのは、見た事があるような小さな紙袋。 どうやら、先日の飲み会の時に借りたものらしい。
「俺の代わりに菊ちゃんに渡してくれると、すっごく助かんるんだけどなあ」





そう言えば、彼の学部の校舎には初めて来た。
普段自分達が使っている棟に比べると、こちらは年期が入っているようだ。 この大学は、幾つもの建物が点在しており、その中には国の文化財の指定を受けているものもあるらしい。 赤レンガ造りのレトロな外観を見上げ、ユールヒェンは足早に中へと入る。
三階奥の第五講義室、三階奥の第五講義室……フランシスに聞いた場所を頭の中で繰り返し、 階段を上り、左右を見回し、それらしい講義室に到着した。 入り口に貼り付けられたプレートを確認し、間違いねえな、ひょいと中を覗き込む。
意外に人が多い。どうやら次の授業にも、この部屋が使用されるようだ。 入れ替わりのある人の流れを視線でなぞり、ぐるりと室内を見回し、 傾斜になった座席の中腹部にある背中に、おっとユールヒェンは瞬いた。
見つけた、あれだ。ややこじんまりとした後ろ姿に、 艶を強調するような髪型に、教科書を仕舞い込む布製の鞄には見覚えがある。
背を向けているから、こちらには気付いていないらしい。 によっと笑うと、ユールヒェンは気配を忍ばせて歩み寄る。 柔道をやってたって言ってたもんな、よし、この俺様が試してやるぜ。
講義室に入って、後ろに回り、机の間をすり抜け、 笑いを噛み殺し、ざわめきに紛れ、気取られないようにさり気なく、そっと、そおっと距離を詰めて。
そして備え付けの机が二列分の位置までやって来ると、 渋みのある色合いの帆布製の鞄を肩にかけながら立ち上がり、その頭が――突然ひょいと上がった。 どきりとユールヒェンは固まる。
あちらから名を呼ばれたらしく、はいと菊は返事をした。 その声に、妙に華やかなファッションの女生徒が三人、囲い込むように集まる。 話しぶりから、同じ学部であるらしい。
どうやら彼女達は、菊に次の授業の代返を頼みに来たらしい。それに、ユールヒェンは眉を吊り上げた。 おい、ちょっと待て。こいつも出席する授業ならまだしも、今日はもう終わりだってフランシスから聞いたぞ。 だから学校を出る前にと、俺様急いでここまで来たんだぜ。
ワントーン高めの声、見上げる角度からの媚を含んだ眼差し、さり気なく腕や肩に触れてくる手。 判りやすい三段攻撃に、思わずうわあとユールヒェンは顔を顰める。 女ってこう言う時の自分の使い方が上手いんだよな。 でもって、男もそういうのに弱いんだよな。 てか、お前もへらへら笑ってんじゃねえよ。ムカつくな。
ちょっと用事があって……と言いつつその内容に触れない所から、どうせ大した内容では無いのだろう。 両手を合わせてにっこり笑顔での、実に可愛らしいお願いポーズ。 作った声での、更にもうひと押し。 良いよね、前にお願いいした時も引き受けてくれたし、本田君優しいもん――って、つまり常習かよ。
かちんとユールヒェンは目を潜めた。
「おい、お前ら」
ぴしりとした声に、一同同時に振り返る。 腰に手を当てて仁王立ちするユールヒェンに、菊はあれ? と目を丸くした。
どうしてここに? 尋ねるより早く、つかつかとユールヒェンは距離を詰めると、じろりと三人組をねめつけた。
「てめえの面倒を、人に押し付けてんじゃねえよ」
用事だかなんだか知らねえけど、扱い易い相手を、こんな時だけ利用すんな。 学生だろ。授業に出るのが仕事だろ。自分がしなくちゃいけない仕事を、人にやらせるのかよ。
きっぱりと言い切るユールヒェンに、三人の女生徒は一瞬呆気に取られ、そしてちらちらと視線を交わし合う。 何、それ。言いたいことがあるならはっきり言えよ。 本人がここにいるんだから言葉にすりゃ良いのに、彼女達はそれをしない。 ちっとユールヒェンは舌打ちをした。
「いくぞ」
こいつは俺様が先約済みなんだよ。 ぐいと菊の腕を取ると、そのまま彼女達に背を向けて、引き摺るように連れて行く。
何、あの人。やだ。怖いね。そんな囁きを背中に、足音荒く講義室を後にした。





廊下を抜けて、階段を下りて、玄関口の踊り場を通り、校舎から出て。 校門の前で足を止めると、そこで漸くユールヒェンは菊の腕を解放した。 勢いに飲まれてぽかんとしたままの菊を振り返り、ずいと目の前に持っていた紙袋を突き付ける。
寄り目になって、暫し凝視。
見覚えのあるそれが、DVDの入った袋だと分かると、ああと頷いた。 フランシスから今日持って行くとのメールは受けていたが、どうやら彼女に託したらしい。 二人の授業が良く重なるとは聞いていた。
「すいません」
わざわざありがとうございます。 貴方にお貸しした訳でもないのに、なんだか運び屋をさせたみたいで申し訳無いですね。 笑って受け取ると、手提げ袋を離した指の長いその手がぎゅっと拳を作り、そのままぽかりと菊の頭を殴った。
「あいた」
以前もそうだったが、彼女の拳には結構容赦が無い。 涙目で殴られた所を擦りながら顔を上げると、真正面からきりりと吊り上げた赤い瞳に睨みつけられる。
「お前も、良いように使われてんじゃねえよ」
黙ってないで、はっきり断れ。本田君優しいから……なんてあいつらは言っていたけど、あんなのは違う。
「おまえのそれは、優しさじゃねえ」
その場凌ぎの偽善か、断るのを面倒臭がる惰性だろ。
大体、他人のサボりのフォローなんて、何の生産性もありゃしない。 教授からの評判を落として、自分に無用なストレスを貯めて、また次の機会を与える隙を作って、 常習化させて罪悪感を無くして、そんなマイナススパイラルを作るだけだ。 それに、勉強を放棄する手助けなんて、あいつらの為にだってなんねえじゃねえか。
腕を組んできっぱりと言い切るユールヒェンに、菊は瞬きを数回、苦笑を返した。
「おっしゃるとおりです」
否定の言葉もありません。
「すいませんでした」
素直に頭を下げる菊に、ふんと鼻を鳴らせる。
「俺に謝る事じゃねえだろ」
「いえ、バイルシュミットさんには嫌な思いをさせてしまいました」
本来ならば私がちゃんと口にしなくてはいけない事を、貴方にさせてしまったのです。 嫌な役目を背負わせてしまって、本当に申し訳無く思います。
「別に……いいよ、んなこと」
こちらとしても、そこまで考えての行動ではない。 ただ、彼女達にされるがまま、抵抗もせず、中途半端な愛想笑いをしているこいつにムカついただけだ。 そんなんだから、相手に都合良く利用されるんだよ、優しさを勘違いされるんだよ。
「バイルシュミットさんは優しいですね」
私の為に、そんな風に怒って下さるなんて。
「優しくねーよ……怖がられてばっかだ」
不機嫌な声で、ぷいとそっぽを向いた。 去り際の、背中越しに聞こえた彼女たちの声が耳に残る。
こちらの性分にも問題があるとは判っているが、 特に日本人女性から見ると、どうやら自分は近寄り難く見えるらしい。
勿論無視をされている訳でなく、それなりに会話を交わすし、仲間外れや悪意を感じた事も無い。 ただ、文化の違いなのだろう。 こちらの国の女性は、遠慮をしたり、グループで行動したり、何かと八つ橋に包んで発言をする場合が多い。 そんな中、何でも一人で行動したり、自分の思った事を包み隠さずはっきりと主張する態度が、 微妙に浮いて見えるようなのだ。
別にいいけどな。留学前から、一人楽し過ぎる事には慣れているもんな。 俺様があまりにカッコ良過ぎるから、近寄りがたいだけだもんな。 というか、何かと複数人で固まりがちな彼女達の方が、見えないバリアで拒絶されているようで、 こっちの方が近付き難いんだよ。
「バイルシュミットさんは、とても優しいですよ」
以前マンションに送った時も、ちゃんと家に帰れったかってこちらを気遣って下さいましたし。 レポートを手伝って頂いた時も、こちらが判るまですごく丁寧に教えて下さいましたし。 今日もこうして、フランシスさんの代わりに、わざわざ別校舎までDVDを持って来て下さいましたし。 それにさっきだって、彼女達の為にもならないって、サボろうとする相手の事まで考慮されているんですから。
「それに、とってもカッコ良いです」
私は人に対して、あまり強く言えない性分でして。 だから、貴方のようにきちんと正論を口にする事が出来る人って、とても羨ましいです。
照れ臭そうに笑って告げる菊に、思わずユールヒェンは唇を引き締めた。 いやいやいや……にやけそうになる頬に力を込めて、見られないようにくるりと背を向ける。 てくてく歩くと、菊は慌ててその後を追いかけてきた。
「あの、さっきは本当に助かりました」
あの時ユールヒェンの登場が無ければ、恐らくあのまま彼女達の代わりに、不本意のまま、 また単位に関係ない授業に出席する羽目になっていただろう。
「正直、女の人ってちょっと苦手で……」
「お前、ゲイ?」
「違いますっ」
そうじゃなくて。 例えばさっきみたいに、複数の女性に囲まれてしまうと、圧倒されてしまうというか、 迫力負けしてしまうというか、どうして良いかわからないというか、寧ろ怖いです。 そんな風に感じる男って、結構多いと思いますよ。
「悪かったな、怖い女で」
「そうじゃなくって、その、質が違うんですよ」
女の人には理解され難いかも知れませんが、男が感じる女性特有の怖さってあるんですって。
「つまりあれか、俺様の事を女として見てねえってことか」
失礼な奴だな。まあ、それも今に始まった事じゃねえけどよ。 素っ気なく言ってやると、滑稽な位に菊はうろたえた。 そんな意味じゃありませんよ、そうじゃなくて、その、何というか、すいません、あの、怒ってますか?
心底困ったように言葉を探す気配を背中に、ユールヒェンは心の中で笑いをかみ殺す。 別に怒っちゃいない。女扱いされない事には慣れている。 てかこいつ、すげえ必死。小鳥みてえ。やっぱ、なんか可愛いよな。
怒ってねえよ。そう笑って言ってやろうと、振り返ったタイミングで。
「バイルシュミットさんみたいな人には、すごく憧れます」
優しくて、しっかりされてて、強くて、その上とってもお綺麗で。私も貴方みたいになりたいです。
にこりとはにかんだ笑顔に、開きかけた唇が中途半端に固まる。 その黒目がちの目がきらきらして見えるのは、あれか、夕日がもたらす目の錯覚か。 いや、夕日どころか、まだ昼下がりだけどな。
思わず上気する頬。誤魔化すように、ユールヒェンは不必要なまでにケセセと豪快に笑った。
「おう、俺様を称えろ、崇めろ、尊敬しろ」
ばんばんと菊の肩を叩き、腰に手を当て、胸をふんぞり返す。 落ち着け、なに動揺してんだ、俺様。
「はい、是非とも見習いたいです」
実に素直に頷くその仕草が、どこか子供じみていて、何だよ、男のくせに可愛いじゃねえか。
「まあ、俺様ぐらいになるのは、難しいだろうけどな」
「頑張ります」
「お前になら、コツを教えてやっても良いけどな」
「是非、お願いします」
「俺様の教えは厳しいぞ」
「バイルシュミットさんは、私の師匠ですね」
って、あれ? なんだ、この流れ。
はたと我に帰るユールヒェンに、菊は深々と頭を下げ、そして実に嬉しそうに微笑む。
「御教授、よろしくお願いしますね、師匠」











翌日、並んで座った講義室。 両肘を立てて組んだ手に額を当て、力無く俯くユールヒェンの後頭部を、フランシスは唖然と見下ろす。
「ユールちゃん……それ、アプローチ間違っているよ」
お兄さんの勘違いじゃ無ければ、目指していたのは師弟関係じゃなかったよね。
「言うな」
俺様だって、何でこうなったかわかんねえんだよ。 それにあいつ、素直だもん。可愛いもん。なんだか守ってやりたくなっちまうもん。
うう、唇を噛みしめるユールヒェンに、フランシスは溜息をつく。
「まあ、でも、メルアドは聞けたんだろ」
「おう」
師匠命令って言ってやったら、敬礼付きの良い返事でな。 俺様、あいつの上官になった気分だぜ。既に師弟ですらねえよ。
ああ、菊ちゃんああ見えて、結構ノリが良いから。やりとりがリアルに想像できて、思わず苦笑する。
「まあ、お兄さんは、恋する者の味方だよ」
但し、漁夫の利は頂いちゃうけどね。
銀の髪がさらりとかかる肩にぽんと手を乗せ、ウインクを一つ。 てか、お前の漁夫の利は何処対象なんだよ、そんな突っ込みをする気力もない。
恨みがましく睨みつけるユールヒェンに、フランシスは良い笑顔でぐっと親指を立てた。























リビングの扉を開き、ソファーに座る後ろ姿にギルベルトは首を伸ばす。
「おう、ルッツ。メシ、出来たぞ」
ああ、判った。返事をして振り返り。
「兄さん。姉さんから何やら長文のメールが来ている」
ああ? 眉を吊り上げながら歩み寄り、ソファーの背凭れに肘を掛け、 厳つい弟の肩越しに開いたノートパソコンを覗き込む。 ふうん、なんでわざわざパソコンに送るんだよ、携帯にすりゃいいのに。 多分これだけの長文、携帯では打ち難かったのだろう。
「なんか、良い事でもあったんじゃねえの」
ガサツに見える姉ではあるが、意外に律儀な所がある。 こうして留学に行っても、親や兄弟には必ず定期的に連絡をしていた。 まあ、単に自分が寂しいからなのかもしれないが。
送られて来た長文メールには、相談だか、報告だか、俺様日記だか、 何だかよく判らない内容が、つらつらと書かれている。 多分、書いている本人も判っていないのだろう。 でもまあ、元気にやっているらしい、兄弟はその文面に口元を綻ばせる。 少し前に物に比べると、繰り返し登場する人名の種類が増えたようだ。
「どうやら、新しい友人が出来たようだな」
「いっつも一人楽しいあいつがねえ」
「ホンダ……と書いてある。友人の名前か?」
「男だったりして」
この文面からすると、それっぽくね? おいおい、あのじゃじゃ馬にも漸く春が来たか?  ケセセと笑うギルベルトの隣、ルートヴィッヒは困惑顔で眉を潜める。
「ホンダ、とは、その、彼女と同じ名字ではないか。まさか家族とか」
「んなすげえ偶然あるかっての。日本では良くある名字らしいぜ」
ほら、車のメーカーでもあるだろ。 映画やドラマじゃあるまいし、お前ちょっと考え過ぎ。 うわ、じゃあこれ、やっぱ日本人だよな。大人しい日本人相手に、あの女どんな力技使ったんだよ。こえー。
「んなことより、メシにしようぜ、メシ」
ほら、ビール飲むんだろ。 ひらひらと手を振りながらキッチンへと向かうギルベルトに、ルートヴィッヒは眉間に皺を寄せる。
全く、兄さんは。 姉さんは尊敬に値する女性だ、ちょっと誤解される所もあるし、多少いろいろ難しい人かもしれないが、 それでもまあ、うん、そうだな、日本人か、ああ、そうか、なんだな……本当に大丈夫だろうか。
「おーい、ルッツ。お前のビール飲んじまうぞー」
メールの返事は、メシの後、一緒に書こうぜ。 あちらから届く呼び声にルートヴィッヒはくすりと笑い、そうだなと頷くと、ノートパソコンをぱくんと閉じた。

















◆ 帆布製鞄 ◆
京都三条に販売店舗を構える、老舗の某布製鞄専門店。
丈夫、シンプル、手頃な値段と三拍子が揃い、老若男女問わず使用可能なデザインが好まれ、 京都では学生を中心にとても人気が高いです。




end.




本田さんは、集団女子を怖がるタイプかと思います
2012.10.02







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