True Hearts
<前編>





出来るだけ音を立てないように、ゆっくり執務室の扉を開ける。
右を見て、左を見て。 室内に誰もいない事を確認すると、ほっと一息ついた。さあて、と中に一歩入った途端。
「師叔…」
背後からの低い声に、太公望はびっくんと肩を跳ねた。そおっと振り返ると、 秀麗な柳眉を吊り上げた美青年が、腰に手を当ててこちらを睨んでいる。
「…楊ぜん」
「また、サボっていましたね」
一体今まで、何処に行ってたのですか。
折角午後の仕事を手伝おうと執務室を訪ねたのに、肝心な軍師の姿が見当たらなかったのだ。
自慢の長い蒼髪が少しばかりくたびれた楊ぜんは、当てつけのような溜息をつく。
「貴方、もう少しご自分の立場を理解してください」
戦を控えた一国の軍師なのだ、 その両肩には重い責任がかかっているはずである。それを判っていながら、 何故こうも気安く、誰にも声をかける事もせず、ふらふらと姿を消すのだろう。
「せめて僕なり誰かになり、一言声をかけてくださいよ」
そうでないと、 何か大事でも起きたのではないかと、心配でしょうがないじゃないか。
「だあほ、 誰かに声をかけたら、サボりにゃならんだろうが」
ぷい、とそっぽを向き、 とっとと室内へ入った。執務机に付き、その上、午前には山と積み上げられていた書簡が、 すっかり片付いている事に気が付く。
「お?書簡は…」
「僕が全て、済ませておきました」
重要な物でもなかったし、 どうしても太公望で無ければ解決しないものでもなかったので、 とりあえず楊ぜんが処理しておいたのだ。
「おお、流石は天才だのう」
これなら別に、わしなどいなくとも良いではないか。
「…師叔」
感心の声を上げる太公望を、楊ぜんはじろりと睨みつける。下手に整った顔をしているだけに、 こんな顔をされると妙な迫力が担った。
「貴方という人は…」
こめかみに手を当てて絶句してしまう楊ぜんに、今度は太公望の方が溜息をついた。
「楊ぜん…おぬしもう少し、肩の力を抜け」
はあ?楊ぜんは片眉を上げて、 不審そうな顔をした。
「確かに、のっぴきならない状態ではあるかもしれん。 しかしそれでも今はまだ、動くにも制約されているのが現状なのだ」
熾烈を極めるのは、 まだまだこれからなのだ。今からそんなに肩肘張ってしまっていては、これから先どうなる。
「それは…そうかもしれませんが」
でも、それでも。
「良いか。おぬしはまだ、 仙界から降りてきて間が無い」
人間界にも周国や仲間達にも、まだ慣れていないのだ。 だから尚の事、些細な事が気になりすぎてしまう。
「おぬしがわしの下につくのが、不本意だという事は知っておる」
その言葉に、弾かれるように楊ぜんは顔を上げた。
否定しようとするそれを、全てわかっておる、と太公望は片手で制する。
「だからと言って、 わしに突っかかる部分が違うのではないか?」
毎朝わざわざ私室まで起こしにきたりとか、 朝寝坊するなとか、髪の寝癖が取れていないとか、 食事をする時は落ち着いて食えとか、腹が弱いのだから食いすぎるなとか、 トイレに立つにも行き先を聞くとか、筆の尻を噛む癖は止めろとか、酒を飲みすぎるなとか、 夜は早く眠れとか、仕事はサボるなとか、桃は盗むなとか、あれもこれもその他諸々…。
「いえあの…」
前半はともかく、後半はそれなりに理に合っていると思うのだが。
兎に角。
きりっと太公望は楊ぜんを睨み据えた。
「おぬしはわしの母親かっつーのっ」
天才サマは色んな所に目が行き届くのかもしれないが、いちいちいちいち煩いのだ。
「少しはそのいらぬ小言を、控えんか」
びしっと太公望は、楊ぜんを指差した。









「全く、よく判らん」
頬杖をついて、まくまくと仙桃をかじりながら、 太公望は溜息と共に吐き出した。
「大体、変な奴だとは思わんか」
あれだけ自分は天才だと偉そうに言っておきながら、ころりと手の平を返したように従順になるし。 かと思えば、何かにつけて、いちいち小うるさく口出ししてくるし。
太公望にとって楊ぜんは、どうにも理解し難い存在だ。
「昨日もびしっと言ってやれば、 急にしょぼくれたようになってのう」
その日一日、大人しく過ごしてくれたのは良いのだが。 そんなあからさまに落ち込んだ様子を見ていると、まるでこちらが悪い事でもう言ったような、 変な罪悪感に囚われてしまうのだ。
元々、最初の顔合わせがああだったのだ。
彼がこちらに鼻持ちならない感情を抱いている事は、想像に難しい事ではない。 だから、その事についてとやかく言うつもりはないし、それなりに理解も出来る。
しかし、どうも。
「…やはり、相性なのかのう」
行動を共にするようになってから、 何故か些細な事で衝突が起こるのだ。
太公望には、それが気になってしょうがない。
「…で、それを僕に言いに来た訳?」
太公望の正面、普賢は穏やか笑みを浮かべて、 茶の湯を啜った。
「おぬし、どう思う?」
うーん、と普賢は首を傾げる。
「良く判らないけど…でも、彼の言う事も一理あると思うよ」
特に、先ほどの後半部分は。
「普賢、おぬしまで親友を裏切って、あやつの見方をするのかっ」
ぶうと唇を尖らせて非難する太公望に、普賢は苦笑した。
只でさえ現在、周城内では、 やたらと楊ぜんに味方する者がが多いのだ。確かに超越した空気を纏う彼は、 人間の目には、下手な仙人よりも余程仙人らしく映るらしい。
お堅い周公旦は勿論、四聖相手に引けを取らなかった実力から、 武吉や天化などは手放しに楊ぜんを褒めるし、その意味も無く華やかな容姿から、 女官の間では密かな人気も高まっている。
同じ道士であるはずなのに、 明らかに自分と彼との扱いに差が出ているのだ。
「これって、差別だとは思わんか?」
「それって、日頃の行いじゃないの?」
むうう、と頬を膨らませる。
「…まあ、何だ。とりあえず本題に入ろう」
どうやら今まで綴られていた愚痴は、まだ序章であったらしい。
一度姿勢を但し、 今度は真面目な顔で普賢に向かった。
「のう…おぬしだから言うのだが、 その…楊ぜんの事だ」
「うん?」
「おぬし、奴の秘密を知っておるのではないか?」
普賢は崑崙十二仙の一人だ。同じく十二仙であり楊ぜんの師である玉鼎とは、 太公望以上に接する機会があるだろう。その接点の中から、 普賢と楊ぜんが顔を合わせた機会は少なからずあったはずだ。
「秘密って?」
「わしはあやつに、違和感を感じている」
まるで計算され尽くしたように、 全てに置いて完璧すぎる楊ぜんに。
「もしかすると…あやつは、妖怪仙人なのではないか?」
「…望ちゃんは、どうして思うの?」
僕にそれを話すって事は、確信があるみたいだけど。
ふん、と太公望は鼻を鳴らせて胸をそらせた。
「わしを甘く見るでない。 それぐらい見抜ける目が無ければ、じじいの一番弟子は名乗れぬ」
ああ、そうか。
「望ちゃんは、慧眼の持ち主だったね」
稀に、生まれながらに「見極める目」を持つ者がいる。 王貴人との戦いの時とて、その紺碧の瞳は、彼女の本性をしっかりと見破っていた。
「おぬしは偏見も持たぬし、下手な波風を起こす事もしない」
そして普賢は、物質の元になる原子を操る宝貝、太極符印を持っている。 物体の本質を探る事が出来るそれを使えば、人間とは異質である構造を把握するのに造作は無い。
「おぬし、それの宝貝で、楊ぜんを見た事があるのではないか?」
だから、こうやって相談に来たのだ。
真剣な眼差しに、普賢はにっこりと笑った。
「それは、 僕の口から言う事ではないよ」
彼がそれを秘密にしているのなら尚更だ。
「それに、楊ぜんの事で相談するなら、玉鼎の方が適任じゃない?」
何と言っても彼の養父でもあるし、師匠でもある。この崑崙において、 誰よりも楊ぜんを知っているだろう。
しかしその提案に、太公望は難しい顔をした。
「玉鼎では、ちと…な」
「どうして?」
「玉鼎は、あやつを庇い過ぎる」
いい意味でも、悪い意味でも。
一度驚いたように目を見開き、くすりと普賢は笑った。
「…正直わしは、どうしていいか判らんのだ」
頬杖をついて、太公望は頼りない吐息を漏らした。
この予想が正しければ、金ごう出身の可能性も高くなる。
これから更に周との対立は激化、それに担って金ごうとの大戦も免れる事は無い。 もしそうなった時。
二つの仙界の狭間で、きっと心は揺れるに違いなかろう。
「彼が金ごうに寝返れば、確かに困るよね」
それもある。 綺麗事ではなく、冷静な分析からの見解だ。
彼の能力の高さが今後の要になる分、 その彼を失うのは相当な痛手になるだろう。
しかし、それだけでもない。
「…何だか、よく判らんのだ」
悩んでいるなら話して欲しいし、力にもなりたいと思う。 しかしきっと、プライドの高い彼の事だ。全てを隠したままの今は、それを望んでいないだろう。
ならば彼に対し、どう接すれば良いのか。彼は今、何を望んでいるのか。
太公望は、それが知りたいのだ。





「ふうん…珍しいね、望ちゃん」
そんな事で悩むなんて、今まで無かったじゃない。
「そうかのう」
「あ。ねえ、そうだ」
ちょっと待ってて。
何かを思い出した普賢は席を立ち、一旦部屋を出て行った。暫くすると、 うきうきした様子で戻ってくる。
「これ、望ちゃんにあげるよ」
差し出したのは、小さな箱が二つ。
蓋を開けると、 一方には赤い石のついたピアス、もう一方は青い石のついたピアスが入っていた。
「…なんじゃ、これは」
「僕が作った、伝心宝貝だよ」
まだ、試供品だけどね。 最近太乙のラボを借りて作ってみたんだ。
赤いピアスと青いピアスを耳につけると、 お互いに思っている事が、口に出さずとも伝わるように作られたものだ。声を出す事無く、 心の中で互いの考えている事を悟り、敵に悟られる事無く作戦を練れるようにと考案したのだ。
「考えている事が、全て通じ合えるって訳じゃないんだ」
基本的には、 相手に伝えたい言葉のみが、そのまま相手に届くように作られている。
「青い方が受信で、赤い方が送信になっているんだ」
だから本来は、赤と青が一対になって、 それぞれ右と左に装着すれば良いのだが。
「でもね、かたっぽの色だけ使ったら、 一方通行になっちゃうんだ」
心の中の言葉が伝わるのが。
「よかったらさ、 モニターになってみてよ」
改良も加えたいしね。 にっこり笑う普賢に、太公望は目を瞬きさせた。














「やっと見つけましたよ」
日の傾きかけた頃。普賢の洞府にやって来た天才道士は、 複雑な表情で普賢と太公望を見比べた。
「楊ぜん…」
昨日の今日で、またしても執務室を抜け出した太公望を、楊ぜんが迎えに来たらしい。 小言が喉元まで出掛かっているようだが、普賢師弟に遠慮をしてか、 先日の太公望の言葉に引っ掛かってか、もごもごと俯く事しか出来ないでいる。
「駄目だよ、望ちゃん。勝手に抜け出したりしてきちゃ」
普賢はぽんっと太公望の肩に手を乗せて、そのまま楊ぜんの方へと押しやった。 勢いづいた小さな体を、ふうわりと楊ぜんが受け止める。
「お世話かけるね、楊ぜん」
もう勝手にサボったりしないように、望ちゃんをしっかり見張っててよね。
「普賢、おぬし…」
「ほら、望ちゃんも。あんまり楊ぜんを困らせちゃ、可哀想だよ」
そしてそっと耳打ち。
いらなくなったら、返しに来てね。それ。
ちらりと懐に視線を流し、普賢は意味の含めた笑顔を太公望へ向けた。





「どうやって、ここが判ったのだ?」
「四不象に聞きました」
時間になったら迎えに来るように申し付けておいた、騎獣の姿が見当たらない。 どうやら、与えた自由時間の間に城に帰り、楊ぜんにチクったようだ。
そう言えば、先日のやりとりを知っていた四不象は、 背中に乗っている時も、やたら楊ぜんの肩を持つ事を言っていたな。
「僕の哮天犬に、二人乗りになりますが…」
直ぐ付きますから、 我慢して下さいね。
袖から哮天犬を出しながら、 楊ぜんの視線が少し泳ぐ。何やら戸惑い、思い切ったように太公望を向き直った。
「あの…すいませんでした」
「は?」
あれから少し考えました。
「確かに僕、 貴方に対して、少しうるさ過ぎたようです」
貴方を見ていると、 何だかつい…と、視線を足下に落とす。
「これから気をつけます。 その、本当にすいませんでした」
ぺこりと丁寧に礼をした。こんな風に妙に素直なところは、 きっと育ての玉鼎の躾なのだろう。何だか可愛く思えて、太公望はくすくす笑った。
「いいよ、もう怒っておらぬ」
わしも大概、きつく言いすぎた。
にこりと笑って見せると、安心したように楊ぜんも笑う。良かった、 という声が聞こえてきそうだった
そうだ。
「あー…のう、楊ぜん」
「はい?」
出来るだけさり気ない風を装って、懐から小箱を取り出した。
「おぬしに…その、これをやるよ」
「…何ですか」
「いいから、ほれ」
無理矢理手の上に乗せると、少々訝しそうにそれと太公望を見比べ、手渡された小箱を開いた。
「ピアス…ですか?」
綺麗な紫色の瞳を丸くして、太公望を見つめ返す。 じいっと向けられる視線は、後ろめたさのある心臓には居心地が悪い。
「えっと…あ、ほれ。 わしも揃いの物をつけておるのだ」
自分の耳を指差して見せる。
「今、仙界で流行っているそうなのだ。願いが叶う不思議なピアスらしいぞ」
おたおたと説明するその設定は、先ほど普賢と打ち合わせたもの。 目を見開いたままこちらを凝視する楊ぜんに、心の中でだらだらと冷や汗を流す。
やっぱり唐突だったか。胡散臭がられても当然だろう。 こりゃいかん。下手に勘繰られるよりも、いっそ無かった事にした方が…。
「あー、えっと。やっぱりいらんか。だったら…」
取り返そうとする太公望の手を、 楊ぜんはひらりとすり抜けた。
「違います、その…びっくりしすぎてしまって」
庇うように、ピアスの小箱をすっぽりと手の中に隠してしまう。
「すごく…すごく嬉しいです」
ありがとうございます。
花も恥らうような鮮やかな笑顔に、 太公望の良心がずきずきと痛む。なんちゅう嬉しそうな顔をするのだ、こやつは。
「えっと…今つけても良いですか?」
ちょっとだけ、待っててください。
そう言うと、肩に流れる髪を耳にかけ、太公望の目の前でピアスを装着した。


(師叔が…僕に)


「…へっ?」
耳元で聞こえる密やかな声に、太公望はぎょっとした。
ばっと楊ぜんを見上げるが、慌てたようなその動きに、彼は微かに小首を傾けて見せるだけ。
どうやら、今のが「楊ぜんの心の声」らしい。
飛び上がる心臓を抑える太公望の前で、 楊ぜんはさっさとピアスを両の耳にはめてしまった。
「似合いますか」
「…う、うむ」
(師叔が僕に選んでくださったんだ)
(僕の為に…)

「ありがとうございます」
(すごく、すごく嬉しい)
すごい。こんなにもはっきり、相手の心が聞こえるのか。 自分の心が相手に読まれているわけでも無いと言うのに、 何だかこちらの方が落ち着かない気持ちになってしまう。
「…師叔?」
「あ、いや…何でもない」
(どうしたんだろう)
驚きと焦りを心の中に押し隠し、笑って誤魔化す。それにしても、 耳元で楊ぜんに囁かれているようで、どうもむず痒い。
「師叔のは青いんですね」
楊ぜんに深い意味は無いと判っているのだが、 その指摘にどきりとする。
そうか、楊ぜんだったら、青の方が似合っていたか、 と我ながら的外れな事を考えた。
「えっと、青の方が良かったか」
髪や服の色のせいか、 楊ぜんには青と言うイメージがある。そんな楊ぜんに赤いピアスをプレゼントするなんて、 ちょっと不自然だったかも知れない。
騙していると心がやましい分、 些細な事に過剰反応する太公望に、慌てて楊ぜんは首を振った。
「あ、いえ。違います」
(そんなつもりで言ったんじゃないのに)
(気を悪くさせてしまっただろうか)

「ほら、色違いなのかなって思って」
(わざとなのかな)
期待が込められたような楊ぜんの心の言葉に、一瞬太公望は反論しかけるが。
(そんな訳無いか)
何とか言葉を飲み込んだ。
(でも、期待して良いのかな)
(ほんの少しでも、僕の事を気にかけていてくれているって)

「さ、帰りましょうか」
哮天犬に乗せる為だろう。差し出された手に、深く考える事無く、 太公望は自分の手を乗せた。
(小さな手だな)
(手袋越しにも判る)

ぱっと手を離した。熱湯に触れたかのような反応に、楊ぜんは首を傾げる。
「師叔?」
「す、すまんっ」
こやつ、考えてる事を垂れ流し過ぎる。普賢は、全て判る訳じゃなく、 相手に伝えたい事だけ通じると言っていたのに。
「えっと…すまん。 ジジイへの報告を忘れておったのだっ」
「そうですか、では帰る前に玉虚宮へ…」
「いや、一人で行くからっ」
だからおぬしは一旦城へ帰り、四不象を呼んで来て欲しい。
「面倒かけるが、すまん、頼む」
ぺこりと頭を下げ、そっと楊ぜんを垣間見る。 感情を隠した綺麗な顔からは、寂しそうな空気が伺えた。
(やっぱり、まだ怒っているのかな)
「おぬしを怒っておるわけではないっ」
四不象には、執務室に置いてある緑色の書簡を、 持たせて寄越して欲しいのだ。あやつの方が、きっと哮天犬よりも早いと思うのでな。
(あ…そうだったのか)
(変に勘繰ってしまったな)

「判りました。では、なるべく急ぎますね」
にこりと笑うと、丁寧に一礼し、 楊ぜんは速やかにその場を離れていった。
みるみる小さくなるそれを見送り、 ふう、と太公望は安堵の息をつく。





「これで本当に、あやつの事が理解できるようになるのかのう…」
自分の耳に装着された青いピアスを指で弾き、太公望はかしかしと頭を掻いた。








王子の乙女度、高すぎ
2003.06.07







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