甥っ子君との思い出作り&夏の18きっぷ旅行
その晩遅くなってから我が家に火事があり、近所の家まで焼けてしまった。
警察では漏電だと言ったが嘘だった。
ほんとはおれが机の引き出しにかくしておいた一匹の蛍が原因だったのだ。
(寺山修司記念館パンフレットより引用、「田園に死す」の台詞だっけ)
折角なので、御存知の方には今更過ぎる、寺山修司氏のご紹介を。
寺山修司氏とは……まあぶっちゃけて言ってしまえば、
マザコンと田舎者コンプレックスを拗らせちゃったナル入った人が、
多分野に渡ってカルトでカオスでアングラなマイワールドを繰り広げ、
自分自身も演出しつつ、うっかり羽目を外しつつ、闘病の末に夭折した、
「職業は寺山修司です」と自称する、時代が生んだ多才な寵児です。
多分、間違っていないと思う。うん。
人に寄っては不気味&特殊過ぎて全く理解できないでしょうが、
嵌る人には人生観が変わる程に強烈な作品を多数残されております。
自分としては……うーん、作品によりけりですな。
「田園に死す(映画)」のオープニングには衝撃を受けましたが、
「書を捨てよ町へ出よう(映画)」は生理的に全く受け付けませんでした。
興味のある方は、氏の妖しい世界観が詰め込まれた「草迷宮(映画)」や、
ややマイルドな蜷川版の「身毒丸(舞台)」から入るのがお勧めかと。
自分の中では映像&舞台の演出家のイメージが最も強く、
実は著作は選集本一冊しか読んでおりません。
どうも氏は、確信犯的に自分を演出する節が見受けられて、
特にエッセイに関しては、何処までが本当で何処までが虚構か、
変に穿った読み方をしてしまうんだよなあ。嫌な読者です。