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光の伝説になる

更に更にの、ちっとも演技していない新体操パロ。
こういうのは、ここで小ネタとしてならつらつら書けるけど、
ちゃんと文章にしては絶対書けないだろうな。スポーツシーン、難し過ぎです。

ジャンル違い&元ネタ原作のネタバレ要注意。
以下、ヘタリア、ギル菊です。



一度は選手活動不可能とまで言われたフェリちゃんですが、
なんとか復帰し、選手としての活動を再開しました。
但し、完治できるような病気でもなく、体が弱いことにも変わりなく、
菊さんと共に代表選考されていた今回のオリンピックを終えると、
そのまま引退すると表明。残念だけど、仕方がないですよね。

そして、そんな最中にもう一つ、決定されたことがありました。
フェリちゃんが敏腕報道記者エドヴァルドさんから受けたインタビュー。

エ「男子体操のバイルシュミット選手と婚約するというのは本当ですか?」

すいません。男同士だろうって突っ込みは、スーパースルーでお願いします。
しまったー、そうだったんだよなー、原作。うっかりしておりました。
桜さんで妄想した方がよかったのですが、でも脳内では菊さんだからなあ。
ショックを受ける菊さんに、フェリちゃんは。

フ「綺麗事を言うつもりはないよ、自分が酷い奴ってことは自覚済みだから」
フ「ルートは俺の体を心配してくれて、俺はそれを利用したんだ」
フ「でも、ずるいって分かってても、それでもルートが好きなんだ」
フ「何もかもを失くしても、それでも一番欲しかった」
フ「だから謝らないよ。でもお願い、責めるならルートじゃなく、俺を責めて」

フェリちゃんは、ルートが誰が好きなのかも、決断の真意も理解しています。
家族にも、早めに結婚して、子供を産んで欲しいと言われていました。
ごめんなさい。子供ってって突っ込みは、ウルトラスルーでお願いします。

ギ「おい、お前は菊の事が好きだったんじゃねえのかよ」
ル「ああ、そうだな」
ギ「だったらなんでっ」
ル「だが、フェリシアーノを支えることが出来るのは、俺だけだ」
ギ「それで、本当にお前は後悔しねえのか?」
ル「しない……そう、決めたんだ」

ル「それに、たとえ菊と一緒になったとしても」
ル「きっと俺は、兄さんに嫉妬し続けることになるだろう」

そして、きっと菊さんと一緒になってもフェリちゃんへの心配は今までと変わらず、
それによって菊さんが辛い思いをするかもしれない、とルートさんは考えたのです。

ギ「それがお前の決断なんだな」

ショックのまま、メンタルも新体操の演技もボロボロになってしまう菊さん。
フェリちゃんの気持ちもルートさんの決断も理解できるだけに、
責めることも嫌いになることもできず、精神不安定のまま、拒食症になります。
自傷行為にまで走りそうになる菊さんを見ていられない、ギルの取った行動は。

ギ「だったら、俺を憎めよ」

その感情がお前を支えるっていうなら、俺はいくらでもお前に憎まれてやる。

ギ「そうだよ、ずっと知ってたぜ」
ギ「馬鹿じゃねえの、そんなのお前だって分かってたんだろ」
ギ「フェリちゃんとルッツに絡もうとするお前も、まあ良い道化だったよな」
ギ「落ち込むお前を慰めりゃ、上手く俺のものになるかと思ったけどよ」
ギ「やっぱ、やめた。もういいぜ。今のお前、最悪。全然魅力ねえもん」

絶句する菊さんにせせら笑い。

ギ「改めて、新体操を取ったら、お前なーんにも残ってねえんだよな」
ギ「音楽作んのもやめるわ。パートナーも解消」
ギ「俺の曲が欲しけりゃ、それ相応の演技をやれよ」
ギ「俺様を引き留めるために、精々頑張れや」
ギ「俺様を見返すような、お前の演技を見せてみろ」

結果、菊さんは再び新体操に打ち込むようになります。
二人の仲は最悪。会話もなくなり、菊さんは無表情、ギルも事務的になります。

ル「兄さん、それは菊に対してあんまりじゃないか」
ギ「じゃあお前は、あいつに何かしてやれんのか」
ル「それは……」
ギ「なら黙ってろ。口出しすんじゃねえ」

良くないと分かっているのですが、修復できない関係になるかもしれませんが、
それでも今を乗り越える手段の為にと、ギルは負の感情を利用します。
鬼気迫るような特訓の末、菊さんは最高難易度の技も習得。
その引き換えに、ギルはオリンピック用の新曲と、生演奏を引き受けます。

そして、菊の集大成の為にと出来上がったその音楽は。

フ「ギルって本当に不器用だよね」

レコーディングで渡米中のギルに変わり、菊さんに手渡した音楽。
歌詞のないメロディーは、それでもラブソングだと伝わるような旋律でした。
切なくて、苦しくて、悲しくて、それでも包み込むように何処までも優しくて、
ヘッドフォン越しに聞き入り涙を流す菊さんに、そっと肩を抱くフェリちゃん。

菊「私、分かっていたんです、ギルベルト君のこと」

自分を奮い立たせるために、敢えて憎まれ役を買って出たことも。
誰よりも優しい目で、ずっと自分を見守ってくれていたことも。
その眼差しには、苦しいくらいに切ない感情が込められっていることも。
なにより、自分にとって、かけがえのない大切な存在であることも。

そしてオリンピック。ギルの都合でほとんど一緒に練習が出来なかった中、
漸く前日に最終調整すると、驚くほどに息が合っているとコーチも驚きます。

菊「(ギルベルト君、相当練習してくれていたんですね)」
ギ「(悪くねえ……でも、何かが足りねえ)」

当日、本番。順当に各選手が演技を披露する中、とうとう菊さんの出番。
舞台脇の音響セットの前、ベースを抱えたギルが気付く足りないものとは。

ギ「(違う……こんなものに頼るんじゃなくて、俺が望んでいた音は)」

マイクを取り、ギルは楽器ではなく、声で音楽を奏でます。
驚く菊さん。それでもギルの意を悟ると、菊さんはプログラムを披露。

フ「ホント、最初に言っていた通りだったなあ」
ル「ああ、そうだな」
フ「菊の良さをここまで引き出せるのは、世界中でギルだけだろうね」
ル「しかし、これは……」

新体操に使う音楽は、ボーカルが入ったものは禁止されています。
なので、これは勿論失格。それでも、持ち得るすべてを出し切って、
菊さんはギルの歌声に合わせて自分の中での最高の演技します。

演技が終わり、静かになった会場。姿勢を正して一礼し、舞台から降りると、
放心したように立ち尽くすギルに、照れたように、満足そうに笑う菊さん。
視線だけでお互いの気持ちを悟ると、手を広げる笑顔のギルさんに走り寄り、
肩を抱かれ、そのまま二人は広い会場を後にします。

ざわめきが戻る会場。慌てる審判達。ここで漸くまばらな拍手が出始めます。
最初は小さかったその音が、次第に大きくなり、嵐のように会場に響きます。
その音を背中で聞いて、人気のない関係者用の廊下を歩く二人は、
後ろから追いかけてきた審判の一人に呼び掛けられて、
割れるような歓声と拍手に掻き消えそうな声を聞き取って。

そして浮かべるのは、光に溶け込むような満面の笑顔――。



……って、長いよ。すいません、もっと分ければよかったな。
物語に関しては殆ど覚えていなかったのですが、
何故かラストだけは妙に印象に残っていたんですよね。

ついつい続けてしまいましたが、これにてひとまず新体操パロは終了。
ここまで書いてもちゅうの一つもない、そんなcottonクオリティ。
映画やドラマでのラブ展開の速さに「ありえねー」と思う時が多々ありますが、
自分のラブ進展の遅さ具合も「ありえねー」と思っております。

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