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さまようひつじ

維新派公演「透視図」の観劇に行って参りました。
場所は中之島の川べりにある中之島GATEに設置された、特設劇場です。
ビルや夜の街を背景にした舞台美術は素晴らしく、とても絵になります。
十年ぶりの大阪での野外公演。今回のテーマは、大阪、川、島、ですね。
もともと大阪は、川が作った島が無数にある土地でして、そこを踏まえて、
大阪の川をボートに乗って会場に向かうツアーも開催されておりました。

秩序がありながらも混沌とした振り付けは覚えるのが大変そうなのですが、
それに今度は疾走感が加わり、役者陣は相当体力が必要だったんじゃないかな。
濃厚でありながら、何処までも冴えた透明感。群舞の中の孤独。川から海へ。
過去と現在と刹那。幻想の街を疾走する少年。時報の音と重なるものは――?
余韻の残る音楽も美しく、独特の世界観にどっぷりと浸ることが出来ました。
二時間と言う少し長めの上演時間でしたが、あっという間に感じました。

もしかすると、今作は維新派初心者でも取っ付きやすいんじゃなかろう……かな?
贔屓目なしに考えても、大阪での野外本公演なんて本当に久しぶりだし、
大掛かりな舞台に関わらずチケットは比較的手が出し易いお値段設定だし、
実際演出の松本氏は幾つもの芸術賞や紫綬勲章を受けた才能溢れる方だし、
この唯一無二の劇団は日本演劇界では間違いなく伝説になると思う。
でも「足の運べる方は是非!」とならないのが、維新派の維新派たる所以。
すごく惹き付けられるか、全く理解できないか、極端な二択に分かれそう。
但し波長の合う方は、遠くの地方公演にも、貪欲に足を運ぶようになります。
芝居云々より、現代アートに興味のある方のほうが楽しめるかも知れません。

ファイル 1572-1.jpg

ネタバレへの考慮からか、今回劇場内は写真撮影禁止。これは外から見た劇場。
川縁での特設舞台だけあり、風がまともに当たります。寒いです。防寒対策必須。
急に冷えたのを考慮して、ニットポンチョに大判ストール持参で挑みましたが、
お隣の方はダウンのコートをトートに入れて持参されておりました。

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