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つまりエッグは

NODA・MAP公演「エッグ」を観劇してまいりました。

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設定、めくるめくどんでん返し、くるくる変わる時代、スピード感、言葉遊びなど、
全体的に初期の遊眠社を彷彿とさせる舞台で、わくわくしました。
最初の謎めいたやりとりをクライマックスで成程と思わせる手腕といい、
一つの台詞を幾通りにも解釈させる脚本といい……いやもう、敬服しております。
ナース姿と白衣姿の転換、選手交代と身代わり、塗り替えられる「記録」、
一見コラージュのようにばらばらでカオスじみているのですが、
振り返ると全てが繋がっていて、何処にも無駄がありません。
野田氏の細やかな計算高さは、種明かしされると、本気で愕然とします。
多分、気が付かなかった細かな部分全てにも、ちゃんと意味があるんだろうな。

ただ作品としてはさておき、物語に関しては、個人的に好みではありません。
政治色が強い作品に、ちょっと「うーん?」と思ってしまうクチでして、
同じ理由で三谷氏の「国民の映画」も苦手だったりします。
戦争ネタが苦手という訳でなく、絶対悪の存在に「?」となるんですよね。

そしてお願いですから、野田さん、関西での公演、もっと増やしてください(涙)。
東京のみ公演が多すぎです、チケットがなかなか取れません、抽選で外れます、
贋作桜の森を再演して下さい、現在の日本を代表する天才演出家なんですから、
同じ時代に生きた舞台好きとして、もっと恩恵に預からせて下さいよ、もう。

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