今更ですが、「はいからさんが通る」の妄想をしてみました。
定期的に訪れる、古典少女漫画妄想。いや、好きなんですよ。お約束ネタ。
個人的にガラかめ、ベルばら、はいからさんは、三大少女漫画金字塔です。
以下、妄想。ジャンル違い要注意。
ヘタリア、菊ユル、はいからさんパラレルです。
これはやっぱり菊ユルでしょうね。舞台は日本ではなく、ドイツになります。
おきゃんで現代的思考のユル姉さんと、ドイツに留学中の日本軍人の菊さん。
時代は明治の頃。出会いはやっぱり、あの伝説のシーンからはじまります。
通学路、並木通りを自転車に乗ってて、蜂に驚いて見事に転んだユル姉さん。
ユ「いってーっ」
菊「大丈夫ですか?」
こちらではあまり見かけない東洋人の彼に、驚くユル姐さん。
菊「お手をどうぞ。立てますか?」
菊「こちらの女性はとても活動的だとは聞いておりましたが」
菊「慣れないものを無理に乗り回すのは、やはり危険ですよ」
なんだこいつ。なんだこの言い方。俺様、ホントは自転車得意だっつーの。
ユ「結構。これくらい自分で……」
差し出された手にそっぽを向いて、自転車のハンドルを手に、
小鳥のようにカッコ良く毅然に立ち上がり、サドルに乗ろうと足をかけるけど、
なんとハンドルが取れてしまって、足を空振り地団駄を踏むユル姐さん。
それを見て、思わず吹き出す菊さん。
菊「(笑いが止まらない)いえ、その、し、失礼っ」
ユ「(むっかー)俺様が止めて差し上げましょうか」
菊「ど、どうやって?」
ユ「こうやって」
菊さんに平手打ちをするユル姐さん。それに驚いて、漸く笑いが収まります。
尤も、ユルさんなら平手と言わず、拳が出そうですけどね。
ユ「東洋ではいざ知らず、これがドイツの流儀だ」
ユ「女性を笑うなどと、エチケットに反すると思うがな」
ユ「お前みたいな奴がいるから、女性の地位が向上しないんだよ」
また随分とじゃじゃ馬な……こちらの女性は、随分と気が強いようですね。
まあ、確かにこちらも無礼だったと言えばその通りですが。
叩かれた頬を擦りながら、ふらふら自転車を漕ぐ後ろ姿を見送る菊さん。
なんなんだ、あの東洋人は。まあちょっと可愛らしい顔をしていたけど、
まだ子供の癖に……でも、軍服を着てたな……あれ? 子供じゃねえの?
憤慨しながらも、珍しい東洋人の事が忘れられないユル姐さん。
とまあ、そんな最悪の出会いをした二人。
さて、ユルさんが学校から帰宅すると、屋敷に客が来ております。
フリッツ親父に呼ばれ、珍しいなと思いつつ、応接室へ行くと。
ユ「なんだ、親父」
フ「ああ、ユールヒェン。お前もきちんと挨拶しなさい」
菊「(今朝のじゃじゃ馬)」
ユ「(今朝の笑い上戸)」
菊さんは、古い家柄に生まれた、ドイツに留学中の日本陸軍軍人さん。
しかも、バイルシュミット家とは深い縁があったりします。
フ「ユールヒェン、彼に我が家の庭でも案内しなさい」
日本のお見合いでは定番の言い回しですが、ドイツではどうなんだろう。
押しやられるように二人きりにされて、微妙な空気を感じつつ、
首を捻りつつ、それでも言われるままに庭を案内するユール姐さん。
途中で一旦少し席を外し、戻って来ると、菊さんはベンチでうたた寝しています。
なんだこいつ。軍人の癖に無防備な。てか、マジで子供みてえな面だな。
如何にも育ちの良いお坊ちゃん風だし、細身だし、小柄だし。
親父は随分買っていたけど、こんなんで、軍人なんてやっていけんのかよ。
よーし、俺様が試してやるぜ。ニヨッと笑い、剣術練習用の剣を手に持って。
ユ「隙ありっ」
菊「うわっ」
ユル姉さんの剣を、なんとか腰の剣で受け止める菊さん。
菊「いきなり不意打ちとは卑怯なっ」
ユ「東洋のサムライとやらは、常に油断をしないと聞いたが?」
菊「女性を相手に、剣など向けられませんよ」
ユ「女だと思って甘く見ると、痛い目見るぞ」
菊「……では、真面目にお相手しましょう」
ユ「へえ……お前、なかなか強そうじゃないか」
こうして庭で剣の試合を始める、菊さんとユル姐さん。
それに気付いたフリッツ親父が慌てて発したのは、衝撃の真実。
フ「止めなさい、ユールヒェンっ」
フ「彼は、本田君は、お前の許嫁なんだぞっ」
ユ「……はあ?」
呆気にとられるユル姐さん。思わずぽかんとする彼女に。
菊「隙あり、一本っ」
初めて剣術で負けたユル姐さん。どういう事だよ。それに許婚ってなんだよ。
しかも、相手は東洋人? 知らねえよ。聞いてねえよ。てか、初めて負けたよ。
ユ「悔しいーっ」
そこからはじまる、二人の恋物語ってか?
物語そのまんまの流れですが、全く違和感が無いぞ。
健気で女だてらな紅緒さんと優しく穏やかな少尉はユル菊っぽいですが、
話の流れ的にはギル桜でも面白くなりそうなんですよね。