わんこさんが来て、ふと母が思い出したお話。
我が家は、山を切り開いてできた、ひと昔前の新興住宅地にあります。
引っ越ししてきたのは、割と地域が出来て早目の時期だったので、
周囲は整備した土地こそあれ、家屋は少なくスカスカでした。
その引っ越しの当日。
母親が家具や荷物を運び込む前に軽く家の中を掃除しようと、
ひと足早くやって来て、新築したばかりの家に入ったそうなのですが、
戸口の鍵を開けて中に入ると、家の玄関ホールに猫が座っていたそうな。
曰く
・びっくりするほど真っ白
・ものすごく毛並が綺麗
・特に目が印象的で、本当に綺麗なターコイズブルー
・兎に角、存在感に圧倒されてしまった
因みに母親は、実は犬猫はあまり得意な方ではなく、
特に猫においては「嫌い」とはっきり言い切る人です。
その母親が、その猫を見ても怖いとも、嫌悪感もなかったとのこと。
驚いて固まっている内に、するりと横をすり抜けて、
家から出て行ってしまった、一瞬の出来事だったようです。
あれだけ綺麗な猫だから、飼い猫かと思いきや、それらしい話も聞かず。
つか、家の周囲はまだ空き地だらけで、住んでいる人さえ少なく。
それ以前に、鍵をしていた家にどうやって入っていたのかも分からず。
その後、家の中に糞や餌や荒らされていないか等、
猫の形跡を探し回ったそうですが、結局それらしいものは見当たらず。
あれはもしかすると、神様かなにかだったのではなかろうか?
そんな気分で振り返る、不思議な思い出話だそうです。