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農夫と元アイドル

ハーレクインロマンスでGO!
元ネタはこちら

以下、楊太。
ネタバレ、ジャンル違い要注意。



元タレントだった楊ぜんは、慰謝料代りに手に入れた屋敷にやって来た。
その裏庭にある、桃園を手入れする師叔と出会って。

太「お主が新しい主人か。良い御身分だのう」
楊「…庭師にしては、随分偉そうですね」
太「ほう。この国の言葉が話せるのか」
楊「悪口も直ぐ分りますよ。とにかく、屋敷まで案内して下さい」

師叔が庭師で無く、この屋敷の元主人だったと知って。

楊「厳密には貴方は不法侵入に値しますが、一応御礼は言います」
太「一応っつーのが引っ掛かるのう」
楊「これまでの管理の代価は支払います。おいくらですか」
太「わしは、そんなつもりでやったのではない」
楊「ここを買いたたかれて、僕を怨みたいのは判りますけどね」
太「…聞きたいが、裏の桃園はどうするつもりだ」
楊「良質の物が取れるそうですね。きちんと専門家を雇うつもりですよ」
太「良く聞け、わしがその専門家だ」

桃園を熱心に手入れする師叔を目にして。

太「不法侵入で通報するならどうぞ」
楊「…そんなことしたって、給料は出ませんよ」
太「こいつらだって生きておる。ほっとく訳にはいかないからのう」
楊「ま、当分は見ないふりをしてあげますよ」
太「えっ?」
楊「(…だって、前のオーナーなんて、使い難いじゃないか)」

和解して、師叔を雇うことになって。

太「お主を誤解してすまなかったのう」
楊「誤解じゃないかもしれませんよ。僕は毒みたいな世界にいました」
太「えっ?」
楊「貴方は本能で判ったんですよ。でも、ここにきて変わったかも」
太「そうなのか?」
楊「ここの景色と土の匂いに、浄化されているのかもしれませんね」
太「(笑顔の楊ぜんに魅入って)やっぱりゲーノー人だのう」
楊「はい?」
太「綺麗なんだなって…思うぞ」
楊「(真面目な顔で言われ、思わず赤面)あ、有難うございます」

桃園の運営に、自分のゴシップネタを雑誌に売ろうとして。

太「おぬしはあの世界と手を切りたくて、ここに来たのではないのか」
楊「まだ、利用価値はあります」
太「どうして、自分を悪く思わせようとするのだ」
楊「(師叔の頬に手を当てて)僕は、もともとそんな男なんですよ」
太「楊ぜん、やめよ!」



元ネタではレモン畑ですが、師叔なら桃園に違いない。
楊ぜんは事務所の意向で、元モデルで顔がウリのフェロモン系タレント。
でもきっとプライドの高い彼は、そんな肩書に甘んじることはなさそう。
自分を自虐的に売ろうとするのは、むしろ師叔だろうな。

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