読書覚書。
・「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎
読みやすい文体ですが、何故か読んでは休んで読んでは休んで…と、
読了までにやたらと時間が掛かりました。不思議に思っていたら、
どうも主人公に同調しすぎて、追われる立場が堪らなく辛かったみたいです。
「死神の…」同様、構成力が巧みで、最後には笑顔になれました。
・「蜘蛛の糸・杜氏春」芥川龍之介
年少向け文学集。この判りやすさと読みやすさと奥深さは、流石の一言。
正直、この人にはこの手の童話を、もっと沢山書いてほしかったです。
芥川入門書。薄い本なので、文学に身構えてしまう方にはかなりお勧め。
・「春琴抄」谷崎潤一郎
フェチズムさえ感じる耽美な文体は、今更説明する事さえおこがましい。
直接的表現は皆無ながら、何気ない描写の艶に、どきりと不意打ちされます。
してやられました。これだよ、私が目指していたエロチシズムは!
谷崎潤一郎氏の作品は、学生の頃「痴人の愛」のみ拝読。
当時はどうも受け付けなかったのですが、
上記の作品はストライクにツボに突き刺さりました。
何、この昼メロ設定は!
随所に散りばめられた、鼻血が出そうな萌ポイントに愕然。
…すいません。耽美派文学の至宝を汚すつもりは無いのですが、
ものすごーく腐った妄想が、脳内で渦を巻いております。ぐるぐる。
読む時期や年代によって、印象や感じ方って変わりますからね。
文学作品の読み難さが苦手で敬遠しておりましたが、
改めていろいろ読み直してみようかな…と思っております。