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責任取りました

7月のお題、「サイダー」より小噺。
ジャンル違い要注意。
以下、悟チチです。



「…できただ…」

絞り出されたその言葉に、へ?と瞬きする。
大学構内のベンチに並んで二人。蝉の声が遠い。
「なにが?」
隣に座る彼女は、決意を感じさせるように唇を噛み締めていた。
膝の上に握りしめられた拳が、微かに震えている。
「赤ちゃん…おらと、おめえの」
見下ろす白い顔は青ざめていた。
見つめられる視線がいたたまらないのか、ぎゅっと閉じられた瞼。
そうか。そりゃあそう言う結果につながる事もやっていたからな。
手にあったドリンクのプルトップを開けると、小さくぷしゅりと泡が立つ。
くびりと流し込むと、甘さと酸味と強い刺激が、咽喉から奥へと伝わった。
全てを飲み込み、その後に胸の奥に広がるクリアな清涼感。
ああ、そっか。青い空を見上げて、軽く頷いて。

「じゃ、結婚すっか」



学生結婚。原作でも、年齢的にはそうですよね。

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