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きみの代わりに

8月のお題、「アイスクリーム」より小噺。
ジャンル違い要注意。
以下、ヘタリアです。



時々、衝動的に泣きたくなる時がある。
兄ちゃんには、おめーは感受性が高過ぎるんだ、と言われた事がある。

今もそう。わんわん泣き出したこちらに、黒い瞳が覗き込む。
ああどうしよう、ほら、すごく困っているじゃないか。
それでも涙は止まらない。
ごめんね、ごめんね。でも、どうしていいか判らないよ。
丁寧にハンカチで涙う拭う指先が優しさに、更に涙が溢れてしまう。

怒らないの?呆れないの?なんで、そんなに自分を抑えるの?
そんな君にどうしようもなく悲しくなって、更に泣き声を上げる。
こんなんじゃ嫌われちゃうのに、涙のループは止まらない。

足元に落ちたジェラードは、太陽の熱に溶け、アスファルトで形を無くしていた。



伊日。芸術家所以の、感受性の高さ。

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