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雲へと手を伸ばす

読書覚書

・「坂の上の雲」司馬遼太郎
文庫本全8巻、一気に読了。すごくすごく感動しました。
兎に角この頃の歴史や背景や時代の流れが、非常に判りやすいです。
疑問に思っていた事や、曖昧だった事が、これで随分はっきりしました。
何より、文句なく面白いんですよ!
説明も長いし、専門的な言葉も多いし、恋愛的要素はほぼ無し、
本篇から横道に逸れたり、主人公の存在感が無くなったりもしますが、
それでも物語にぐんぐんと引き込まれます。
特にクライマックスに向かう後半、読んでいてテンション上がってきました。
作者の力量を改めて思い知りました。素晴らしい。

ちなみに、旅順攻略の児玉氏のカッコ良さには、かなりときめきました。堪らん。
wikiの写真ではなかなか貫禄あるお爺様で、更に激しくときめいてしまった。
どうも私は、天才肌とか、智謀の持ち主とか、軍師様に弱いらしいです。

氏の作品の中でも人気が高い理由が判りました。
同時に、作者が何故死ぬまで映像化を拒否したのかも、何となく納得。
NHKはそれをきちんと理解した上で、覚悟を決めて、踏み切ったのかな?
ドラマは見ておりませんが、要らぬ改ざんをしない事だけを切に願います。

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