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つかまえないで

メモにあった、小噺にもならない走り書き。
ジャンル違い要注意。
以下、封神楊太です。



逃げよう、逃げよう。

「どうして逃げるんです?」

おぬしの優しい手が怖いから。
おぬしの甘い声が怖いから。
おぬしの温かい腕が怖いから。
おぬしの艶やかな髪が怖いから。
おぬしの透明な瞳が怖いから。

「ねえ。逃げないで。僕から逃げないで」

こわいこわいこわいこわい。
逃げなくては、ここから逃げなくては。

「師叔、愛しているんです」

ああ。捕まってしまったよ、おぬしは。
真っ直ぐに向けられるのは、綺麗な紫水晶の瞳。
それが映しているのは、狂気を孕んだ悪魔だと言うのに。
聡いお主が、どうしてそれに気付かないのだ。



捕まえるつもりが捕まってしまった…という例。

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