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この絶望の世界で

メモにあった走り書き。
いつかきちんと書き直したいなあ。

ジャンル違い要注意。
以下、ヘタリア伊日です。

!やや戦争を匂わせているので、苦手な方はバックして下さい!
読んだ後での苦情はご遠慮ください。



何も出来ない、だから謳う



ねえ。
この世界は、君の信じていた綺麗なもので満たされてはいなかった。

君は、優しくて、聡明で、勇敢で、真面目で、一途だった。
そして、崇高な夢と理想を、不器用なまでに実直に追い求めていた。
だけど、世界は常に真っ直ぐに動いている訳じゃないんだ。

君は僕の街が好きだと言っていたね。絵を、建物を、歴史を、文化を。
何もかもが綺麗で、素晴らしくて、感動に満ちているって。
こんな感激を知らずに閉じこもっていたとは、なんて勿体無かったって。
真っ直ぐな憧憬を浮かべた君の目は、どんな宝石よりも綺麗だった。
いつもは表情をあまり変えない君の目が、星みたいにきらきらとしてた。
普段は恥ずかしげに視線を反らす君の目が、まっすぐに僕を映してくれた。
それが、僕は本当に嬉しかったんだよ。
だから地中海の空に、僕は喜びと感謝を歌った。
惜しみない君の拍手は、この世の何よりも尊かった。

僕は無力だ。弱虫で、力も無い。
そんな僕を、君はいつも助けてくれた。
頼り無くて、だらしなくて、泣き虫の僕を、いつも庇ってくれた。
だから今度は僕が守ってあげる。
裏切り者だと言われても良い。
最初に全てを放棄することで、君を守りたかったから。
負け方を知らない君の腕を、誰かが引きとめなくちゃいけないと思ったから。
その為だったら、裏切り者だと言われても良かったんだ。

世界は確かに絶望に満ちている。
それでも僕は、君に会えたこの世界が素晴らしいと信じている。
空は青い。こんなにも綺麗なのに、どうして僕らはこうなってしまったんだろう。



振り返れば、世界は美しい。
そう思いたい、そう信じたい。

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