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壁抜け男の残像

舞台観劇してきました、「レミング~世界の涯までつれてって~」です。
寺山修司主催の劇団「天井桟敷」の最終公演を、
維新派の松本雄吉が演出するとは、なんというcottonホイホイ。

観終わった後、先ず「賛美両論がはっきり分かれるだろうな」と思いました。
寺山氏の原作は未見ですが、所謂不条理系の舞台なのかな?
天井桟敷のインチキ臭い見世物小屋の猥褻感がかなりマイルドになり、
維新派の独特の突き抜けたアート感がスタイリッシュな味になっていました。

ファイル 1209-1.jpg

基本、ストーリー性のある舞台の方が好きなので、
維新派の舞台は自分でも驚く程に当たり外れが激しかったりします。
今回は……結構微妙。でも、やっぱり観て良かったです。
「良く判らん」とは思いつつ、この強烈なインパクトって、
維新派以外ではまずお目に掛かれないんですよね。
理解するのではなく、居合わせ、体感し、感じ取る舞台……それが維新派。
寺山氏同様、多分日本の演劇界で伝説になるだろうな。
今後も気になる公演があれば、足を運ぶでしょう。
何だかんだ言いつつ、維新派に侵食されております。

常盤貴子女史は、良く出演を引き受けたな。彼女である必要はあったのか?
松本氏は役者の「個」を無くして一種オブジェと化させますが、
ある意味寺山氏もそうなのかも……と、今回の舞台で思いました。

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