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国宝の虫干し日

奈良の正倉院展へ行って参りました。秋のこの季節恒例ですね。

普段は博物館には行かないけれど、正倉院展には行くという人は多いようで、
ピーク時には入館するだけで二時間待ちとかになったりもします。
そんな人気の正倉院展、お勧めするのが夕方のオータムレイト入館。
閉館一時間半前から入場すると料金もお得になり、待ち時間なしに入館が可能。
この時期は閉館時間が6時に延長となり、週末には更に7時に延長するので、
時間待ちを避けたい人や、人混みが苦手な人にはかなりお勧め。
毎年ポスターになる目玉作品は、見るだけでも行列に並ぶ必要がありますが、
レイト入場では15分程度の待ち時間で間近から見る事が出来ます。
(つまり、遅い時間で無ければ、もっと時間が掛かるわけなのだな)

ファイル 1327-1.jpg

この時代の独特の細やかな模様って好き。正倉院文様って言うそうですね。
中には「これ作った人、どんな凝り症やねん」って突っ込みたくなるような
細かい装飾がされている宝物もあって、なかなかハートがときめきます。

それにしても、古文書を見て毎度思うのですが、記された字の綺麗な事よ。
大きさも形も整っているので、パソコンフォントのように見えてきます。
面白いのが、記録として残された古文書、ところどころに朱文字で
字がつけ足されていたり、チェックマークのような謎の記号があったりします。
昔の人もこうして確認&チェックしていたのかと思うと、興味深いですね。
そして、最後尾に役職者や関係者の名前が記載されているのですが、
多分書記係ではなく、本人がサインとして直筆しているんだろうな、
さらっとしていたり、筆圧があったり、微妙に左右に偏っていたり、等々、
整った字が連なる中、各々の名前の部分だけ字体がやけに個性的なんですよね。
こういうのを見ると親近感が沸いて、無駄にロマンと妄想をかき立てられます。

これだけ古い宝物を、こうしてきちんと保管し、展示し、根気良く修復され、
研究が続けられているって、改めて考えるとすごい事なんだよな。
千年単位で古い宝物を、こうして気軽に閲覧を楽しみ、感動できるなんて、
良かったなとも思うし、嬉しいなとも思うし、誇らしいとも思うし、
この素晴らしい宝物をきちんと次の世代にバトンタッチしなくてはとも思うし。

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