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読むのは遅いです

読書覚書



・「幽霊刑事」有栖川有栖
久しぶりのミステリー。とある繋がりからの流れで、手に取りました。
流石は大御所作家様、実に正統派の推理小説です。
話の流れに無理が無く、読み易く、綺麗に整理整頓されていて、
ヒントもきちんと判り易く表現して下さって、読んでいて安心。
目が潤む切ないシーンもあって、ラストもとても感動的でした。
作者氏は執筆途中でメモの類は書かないそうですが、すごいな。

・「柳生忍法帳(上・下)」山田風太郎
特筆すべきは、悪役の絶倫っぷりか?ヤり過ぎやねん!<裏手突っ込み
山風氏の作品はあまりにも奇想天外に過ぎるのですが、
理屈で無く、夢中にさせるだけの「読ませる力」があります。
アクションはもとより、節々に挿入されるお色気シーンもまた美味しい。
今回のスポコン十兵衛先生も、男が惚れる男前。強いのは大前提ですが、
優しく、野性的で、自然体で、ユーモアもあり、鈍いけれども女性には紳士。
なんだ、この理想の男性像は!めろめろじゃないか!負けたよ、山風先生!

・「町長選挙」奥田英朗
文庫化を心待ちにしておりました、ドクター伊良部シリーズ第3弾。
コミック並にすらすら読み進んでしまいます。一冊があっという間。
主人公のルックスが北の将軍様似…という表現には、
思わず吹き出してしまいました。笑わせる文章が本当に巧み。
1、2作目は、実に判り易いモデルがいますよね。3作目もいそうだな。
毒はありますが、ラストには必ずほっと笑顔になれます。続編が楽しみ。

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