京都南座、九月花形歌舞伎「新作歌舞伎 あらしのよるに」を観劇。
言わずと知れた名作絵本が原作のこの舞台、主演は中村獅童丈でした。
獅童丈はNHK教育の「てれび絵本」にて同作品の読み聞かせに出演、
そしてアニメ映画でも主演役の声を担当されていたようですね。
ある意味今回の歌舞伎舞台化は、なるべくして成った結果なのかな。
童話原作の新作とは言え、所謂歌舞伎のお約束はきちんと踏まえられています。
物語がシンプルなだけに分かりやすく、まとまりも良く、
ある種ご都合主義な展開は、歌舞伎の舞台的には寧ろ丁度良く感じられました。
特に獅童丈は、彼自身の持つ野性的だけど泥っぽさのある人間臭い雰囲気が
ちょっと気の小さい狼がぶ役に合っていて、はまり役だったと思います。
何様目線で至極恐縮ですが、獅童丈は良い作品とご縁が出来ましたね。
多分、今後も再演されるでしょうし、彼はこの役を大切にしたら良いと思う。
今回は、テレビで獅童丈のドキュメンタリーがあったのをたまたま目にし、
それを見て「一度歌舞伎って観てみたいなあ」と言った姉とのご同伴。
歌舞伎初観劇の姉も、思っていた以上に分かりやすくて楽しかった、
凄く良かったと、非常に満足した模様。日本語が綺麗、とも言っていたな。
歌舞伎初心者さんにもかなりお勧めできる、非常に良質な舞台でした。