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サッカーな小話

オリジナルなワールドカップネタをちょっと書き出してみます。
大分昔の……岡ちゃんジャパンの頃だったかな? 考えたネタ。
所謂、健気でいい女、を試行錯誤していたと思う。

以下、妄想。完全オリジナルネタ。
幼馴染、もしくは同級生だった男子と女子。

男子の方はちょっと世知辛い家庭の生まれで、人付き合いが苦手。
口数が少なくて不器用だけど、常識人で、口下手だけど優しくて、
ちょっと自分の家庭の事情にコンプレックスというか、引け目がある。
(虐待とか、貧乏とか、犯罪者とか、実の親じゃないとか、そこら辺)
サッカーが大好きで、真面目で努力家で、実力も実績もあり、
プロになりたくて、子供の頃から欧州クラブにスカウトされて、
いつか日本代表選手としてワールドカップに出場することが夢。

女子の方は明るくて、前向きで、そこそこ可愛くて人気のある子。
たまたま同じクラスでなにかの係か委員会かで一緒になって、
以来女子の方は、取っ付きにくいと思っていた男子に好感を持つ。
んで、ある日。学校の帰りに女子が暴漢に遭遇。助けたのは男子。
最初は外聞が悪いだろうと内々にしていたのが、何処かで拗らせて、
男子が犯人みたいな風潮になり、サッカー部を辞めさせられる危機に。
結局女子が自分で真実を公表し、噂が学校中に広がってしまい、
若いお嬢さん的な心情を配慮して、女子は離れた学校へ転校。
男子はサッカー強豪校からの転校を免れ(スポーツ推薦だったとか?)、
全国大会に優勝し、卒業後は念願のプロサッカー選手に。
その後、プロリーグでも成績を残し、某欧州チームへ移籍。

で、その欧州移籍後。

女子「頑張っているね」
男子「なんで……ここに?」

大学を卒業して社会人になった彼女が、仕事で彼のクラブの取材に。
スポーツ紙の記者とか、カメラマンとか、ライターとか、かな。

女子「夢が叶って良かったね」
女子「ずっと応援していたよ」
女子「雑誌とか、テレビでも見ていたし」
女子「実は試合も観に行ったりもしていたんだ」

相変わらず口下手なままの男子に、昔と変わらずよく話しかける女子。
懐かしい雰囲気と笑顔に、男子の空気もほぐれてきます。

女子「学生の頃もあんまり話さない方だったから」
女子「慣れない欧州で大丈夫かなって心配したけど」
男子「まあ、なんとかやっているかな」
女子「だよね。あの頃から、英語は一生懸命勉強してたし」
女子「英語だけじゃなくて、こっちの言葉も勉強してたもんね」
男子「知ってたのか」
女子「知ってるよー」
女子「あれから私もこっちの言葉を勉強して」
女子「いつかこっちに来て、君の試合を応援に来たかったんだ」

その言語力が買われて、まだ若手の彼女がこの仕事に抜擢されました。
しばらく滞在して、今シーズンの試合のレポートをする予定。
なので、連日キャンプ地に男子の練習を見に来ます。
押しつけがましくない程度に声をかけ、食事に誘ったり、
男子としても日本語に飢えていた頃なので、それが嬉しいし楽しい。
まるで、学生の頃に戻ったような気分で、コンディションも上昇。
普段あまり喋らない男子が、時々彼女とは会話する様子に、
チームメイトも興味を示し、次第に顔見知りや交友関係ができます。
基本的に、女子の方は普通に社交性のあるタイプなのです。

チームメイトにガールフレンドか? 恋人か? と揶揄われますが、
生真面目な彼は違うときっぱり否定。学生時代の事件が頭にあるので、
彼女に対して噂を立たれることに、どうしても過敏になりがち。
あいつは思いっきり否定していたけど、そうなの? と
チームメイトから聞かされ、笑いながらも内心しょんぼりしてしまう女子。

そんな中、特に彼女と親しくなってくる、某チームメイト。

某「ホント、良い子だよな。一緒にいてて楽しいし」

彼女は昔から、誰とでも楽しく過ごせて、男女ともに人気があったよな。
別に自分だけが特別じゃない、と複雑内心になる男子。
彼女は単に仕事で来ただけで、自分に会いに来たわけじゃないし。
異国の地での同国意識で親しくしてくれているだけで、勘違いすんな自分。

某「今度、パーティーでもしないか? 丁度、男子の誕生日も近いし」

偶々三人で一緒にいた際、そう提案されて、男子はぎょっとします。
あまり社交的ではないし、パーティってなにすりゃいいの? だし、
いや、そう言うの苦手だから……と断ろうとする男子に。

女子「あ、良いね。折角だし、日本料理でお祝いしようか」

場所は、日本人的にはやや広めの、一人暮らしの男子のアパートメント。
早目の時間に女子が、日本の食材を両手に抱えてやって来ます。
キッチンを借りて、彼女が準備をしたのは、それは見事な日本料理。
巻き寿司、お稲荷、てまり寿司、コロッケ、メンチカツ、焼き鳥、
お煮しめ、卵焼き、お好み焼き、わさびドレッシングのサラダ等々、
苺大福や、みたらし団子や葛餅等の甘味も含めた和食多めのメニュー。
味は勿論、見た目も華やかなそれらに驚く男子に。

女子「実はね、フードコーディネイターの資格を取ってるんだ」
男子「シェフ志望だったのか?」
女子「んー……そう言う訳じゃないけど、まあ、知識としてね」

アスリートフードマイスターと言う資格があるそうでして、
スポーツ選手の奥さんが持っているケースが多いようですね。

パーティーは無事終了。皆が本格的? な日本の家庭料理に満足し、
今まであまり喋る機会のなかったチームメイトと話が出来て、
男子としても予想以上に楽しくて、彼女に感謝します。

女子「美味しかった? また食べたくなったら、声をかけてね」
女子「男子君の好きな食べ物、作れるようにしておくよ」
女子「私も楽しかったし、男子君にも楽しんで貰えてうれしい」

明るく気の利く女子に、チームメイトからの好感度も上がります。
特に某とは、一緒に対戦したテレビゲームでも盛り上がり、
趣味や好みも似ていて、そのまま意気投合します。

某「あ、でも俺、ゲイだから」

男子君は駄目だからね! と念を押す女子に、大丈夫と笑って否定。
良い奴だけどタイプじゃないし、ノーマルには手を出さないから。

某「まあ、女子が男だったら、好きなっていたかもな」
女子「でも、私が男だったら、出会うこともなかったと思うよ」
某「そりゃそうかもな」

そのまま友達になり、一緒に飲みに行ったりするようにもなります。

女子「サッカーに限らず、スポーツってその人の本性が出るよね」

彼女の持論では、特に体力勝負のスポーツは顕著に見られる。
走り回って、しんどくて、頭が朦朧としてしまう中での行動が、
結局その人の本質をむき出しにしてしまうんじゃないか、と。

女子「男子君はね、笑顔が出るの」

普段はあまり表情を変えないし、控えめにしか笑わないけど、
でもゴールして得点を入れた時はすっごい満面の笑顔になるの。
試合中でなきゃ、サッカースタジアムでなくちゃ見られない笑顔なの。

女子「だから私、男子君がサッカーをするのを見るのが好き」



二次変換できないかなーとも思いましたが、ちょっと無理そう。
女子が桜さんっていうのもちょっと違うし、男子がギルさんってのも無理。
男子は寧ろ菊さんかな? とも考えましたが、
女子をユル姐さんにはできないし、いっそ台湾ちゃんの方が近いかな。

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