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幸せになってね

ちょっとだけ妄想。超ジャンル外、要注意。
ゴールデンカムイの杉リパさんです。



外堀を埋められる杉元佐一

梅ちゃんを見送って、干し柿を食べて、本土の観光して、
お土産を買って、白石とはぐれて、コタンに帰って来た杉リパさん達。

フチ「あー(スギモトニシパ、どうかアシリパをお願いします)」
杉元「え、お婆ちゃん、なんて言ったの?」
アシ「……土産、ありがとう、と言っている」

マカ「そうかー、杉元ニシパはコタンに帰って来たか」
杉元「お世話になりますが、よろしくお願いします」
マカ「よし、じゃあ、家を作るか」
杉元「え、わざわざそこまで……」
マカ「成人男性に家を作るのは、アイヌの風習だ」
杉元「(そうか、アシリパさんの所にずっとお世話になるのも問題か)」
マカ「立派な家を建ててやるぞ」

コタンの皆総出で、新しい家を作る。
その間は、ひとまずアシリパさんとおばあちゃんと同居。
今までみたいに、一緒に生活して、狩りをして、きゃっきゃうふふ。

マカ「仲が良いな、二人共。いつも一緒だな」
杉元「アシリパさんに、いろいろ教わっているからね」
マカ「ここで生きると決めたお前には、良い事だ」

生暖かく見守るコタンの皆様。

マカ「家が出来たぞ!」
杉元「え、すげえ立派。広い。こんな所に俺一人で住むの?」
マカ「これから増えるだろうからな(にやにや)」
杉元「ええー?」

そして、ナチュラルに一緒に引っ越してくるアシリパさん。

杉元「あ、あれえ?」
アシ「……私達が住む為にと作ってくれた家らしい……」

ここで、漸く察する杉元。

杉元「ちょっと、アシリパさん、いいの? 誤解されてるよ」
アシ「一緒にコタンに返ってきた時点で、皆そうだと思ったようだ」
杉元「アシリパさんは、本当にそれで良いの?」

アシ「お前はどうなんだ? 杉元」

杉元「……俺みたいな人殺しが、アシリパさんを幸せになんか……」
アシ「杉元、私が聞きたいのはそんな言葉じゃない」

アシ「お前は、私と夫婦になりたいのか? なりたくないのか?」

幸せにできないとか、相応しくないとか、俺なんかよりとか、
そんな言葉ではなく、私はお前の本心が聞きたいんだ。
イケメンアシリパさんに、きりっと腰を据えた顔で問われ、
えっと、えっと……逡巡しながら、小さい声で。

杉元「……なりたい、です」
アシ「そうか」

ほっとしてにかりと笑うアシリパさんは、絶対イケメンだと思う。

アシ「私を幸せに、なんて考えずとも、私がお前を幸せにしてやる」
アシ「だからお前は、私を大切にしてくれ」
アシ「お前が変な心配せずとも、それだけで私は幸せになれるんだ」

杉元「……はい……(トゥンク)」

こんなことアシリパさんに言われたら、めろめろですわ。私がな。

まあ、あれだ。昔の田舎の結婚なんて、本人の意思云々をすっ飛ばして、
周りの大人たちがしれっとお膳立てをして、さっさと外堀を埋められて、
気付けば結婚してましたってパターン、多かったと思うんだ。
この二人も、それが一番自然で、現実的な流れな気がする。

ただ、オレ達の杉元は、子供に手を出す男じゃないと信じている。

杉元「アシリパさんがもう少し大きくなるまで、待っているよ」

プロポーズ・TAKE2

アシ「これからも一緒にいようって、前向きな言葉が私は聞きたいんだ」
杉元「(両手で口元を抑えつつ)はい、アシリパさん(トゥンク)」



出涸らしどころではない、恐らく誰しもが一度は考えたであろうネタ。
アシリパさん、実は思った以上に、書くのに難しいキャラクターかも。
大人びているけどちゃんと子供、男前だけど恋には不慣れで初心な少女、
その上で読者にロリには映らない絶妙な匙加減で表現した作者は凄いな。

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