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甘くて尖っている

6月のお題、「キャンディー」より小噺。
ジャンル違い要注意。
以下、ヘタリアです。



道に転がるそれを手に取る。
鮮やかな色の滴を吹いた、ガラスのビー玉。ひとつ、またひとつ。
しゃがんで手に取りながら前へと進む、前へ、前へと。
次に手を伸ばした所で、軍靴の群が目の前を横切った。
その向こうに転がるそれに、行列が妨げて手が届かない。
途方に暮れて立ちすくむと。

これを差し上げましょう。

いつの間にか傍らにいたその人は、膝をついて目の高さを合わせた。
そして、袂から取り出したのは、小さな薬包紙。
受け取り、開くと、中には星型の砂糖菓子が数粒入っていた。
綺麗なそれに瞬きして、顔を上げるとその人はもう居なかった。



大阪のおかんの必須携帯アイテム。
雰囲気でさらっとお願いします。意味は求めてはいけません。
一応、日湾だと主張してみます。

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