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旅行鞄に文庫本を

読書覚書



・「江戸川乱歩傑作集」江戸川乱歩
初期の短編ミステリー集。短いながらも知名度の高い秀逸な作品ばかりなので、
ファンは勿論、初めての方にもかなりお勧めの一冊になっております。
何処となく背徳感が漂う作品が多く、ここら辺が「乱歩」なのでしょうね。
氏は子供の頃に読んだ少年少女向けの推理活劇な印象を持っていたのですが、
本編収録作品はしっかりした本格ミステリーで、ちょっとびっくりしました。

・「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」桜庭一樹
一年程前に本屋で問い合わせた事がありまして。その際文庫は絶版と言われ、
じゃあ結構です…と断っていましたが、直木賞作家さんだったのですね。
店員の「もうちょっと待ったらもしかすると…」のニュアンスが、漸く分りました。
ライトノベルで出版されていただけに非常に読みやすく、あっという間に読了。
レビューでは絶賛されていますが、自分の嗜好とは噛み合わず、残念な気分。
ついでながら、「当たってはいけないクイズ」を当てちゃった私は、
やっぱり異常犯罪者予備軍でしょうか?<八百屋お七を連想した…と、一応弁明

・「マドンナ」奥田英朗
同氏の「ガール」の男性ver.と聞いて購入。期待に違わず、面白かったです。
読みやすくテンポの良い文章、不自然さの無いリアルな日常とその葛藤、
共感できる各々の心情、そして必ず笑顔になれるラスト…等など。
やっぱり氏の作品は、自分の波長にぴったりくる模様。今の所、外れ無し。
ちなみに本編の中では、「パティオ」が一番好きかな?
女目線的には「おいこら!」と少々腹の立つ所もあるけれど、
世の男性諸君って、きっとこんな事を考えて日々生活しているんでしょうね。

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