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散財無自覚症候群

8月のお題

「夏祭り」
囃子は遠く響き、暗闇の狐目は、まんじりともせずにこちらを窺う



今年は夏のセールに行ってないよな…とクロゼットをチェックしていたら、
意外なぐらいに買い物をしていてびっくり。えー、こんなに買ってたっけ?
数だけでみると、去年よりも全然多いかも知れないぞ。
気が付けばお財布がすっからかんになってた理油が、今解明されました。

春でもないのに

7月の御題

「海底」
ねむれねむれ、やがてすべては母なるゆりかごに回帰する



このところ、やたら眠たくって困ります。
今日も帰宅したら家に誰もいなかったので、
ちょっと休むつもりで脱力していたらそのまま眠ってしまい、
母親に本気で心配されました。いや、体は大丈夫だって。
そりゃまあ、確かにびっくりするよね。
夜になって家に帰ったら、電気も付いていない暗い部屋の中央で、
娘が大の字になって寝てるんだもんな。

集中豪雨が凄い

7月のお題、「海底」より、小噺。



深海魚は急激に水面に引き上げると、爆発してしまうらしい。
長く海底に住んでいるので、強い水圧に体が慣れている。
だから、圧力の薄い場所では内臓が飛び出してしまうとか。

ああ、そうか。

長年引き籠っていた弟の部屋は、彼にとっての深海だったらしい。
無理矢理手を引いて、連れ出した玄関の外側。
肉塊と成り果てた弟を見下ろし、漸くその話を思い出した。



ダイビングの時も、体を慣らしてから水面浮上します。

微妙にダークな小噺が続いていますね。苦手な方には申し訳ありません。
「弟」と特定せずに、ぼやかした表現の方が良かったかな?

湿度除去とは言え

7月のお題、「百合」より、小噺。

ジャンル違い、要注意。
以下、悟チチ小噺です。



花なんて、供えても喜ぶのだろうか。
まあ、食べ物の方が嬉しいだろうな、間違いなく。
でも、この下には、死体さえ入っていない。
どうせ、形だけの空っぽの墓なのだ。
ならばせめて、形だけでも綺麗に飾ってやろう。
供えるのは、花弁が大きくて、芳香が強い方が良い。
これなら遠目でも、判りやすいだろう。
視界に入らずとも、香りが誘うだろう。
天上の世界から、己の墓を見下ろすがいい。
そして、少しぐらいは後悔してみるがいい。



蒸し暑さから一転、ちょっと肌寒いですよね、ここ数日。
寒がりで、クーラーが苦手なので、こんな時の電車が非常に辛いです。

むしむしじめじめ

7月の御題

「百合」
芳香に眩暈。滴るように濃厚な指先に誘われ、欲情する



本格的な梅雨前線到来。
今日は暑くて、不快指数が高過ぎて、何だか息苦しいくらいでした。
この湿度、お肌には良いんだよね…と、自分を励ましています。

夜の海に沈む

7月のお題...百合・海底・流れ星

「百合」「海底」「流れ星」より小噺



百合の花は、死者に贈る花なの。
芳香が強いから、腐臭を隠してくれるの。
そう言って、彼女は両手一杯の百合の花を差し出した。
背後に見える月が、水面に波打つ。ゆらり、ゆらりと。
にたりと笑う彼女の唇は、明らかに死者の色。
たゆたいながら拡がる髪と、百合の花。
夜光虫が星のように輝き、流れる筋を描きながら取り囲む。
浮かんでいるのだろうか?否、沈んでいるのか。

―――ここは、何処だ?



ナイトダイブ中、タコにちょっかい掛けたら、墨を吹きつけられました。

そう見えるでしょ

6月のお題、「てるてるぼうず」より、小噺。

ジャンル違い、要注意。
以下、楊太小噺です。



ああ、師叔濡れちゃいますよ。はい、これを被ってください。
顔だけ出して…でもずれちゃいますよね、これじゃあ。
このロープで襟元を止めて…首は苦しくないですか。良かった。
僕の肩布だからかなり大きいですが、ふふ、布に着られちゃってますね。
もう、そんな膨れっ面しないで。はいはい、すいません、失言でした。
白いから汚れるって…そんな事、お気になさらずとも良いんですよ。
ちゃんと呪詛は覚えましたか、連日の雨を止める日乞いの儀式の。
まあ、僕らからすれば人間の祈祷なんで、単なる形式ですけどね。
ほら、出番ですよ。頑張ってくださいね。

「おお、軍師様が祭壇に立った途端、雨が止み、雲が途切れたぞ」

意外に、効果てきめんだったりして。



今は割と、吸収と発散のバランスが取れている状態みたいです。
あえてサイトに載せる程でもない小ネタもつらつら書けるので、
その点においては、ブログを始めたのは良かったかな?

貴方は何色ですか

6月のお題、「紫陽花」より、小噺。



友達同士の約束を、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花はほの淡い秘密の色に染まった。

初めて恋をした想いを、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は青臭い迷想の色に染まった。

反発した親への怒りを、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は穏やかな寛容の色に染まった。

仕事で発生した憤りを、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は燻った諦念の色に染まった。

共に二人で結婚の誓いを、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は優しい日常の色に染まった。

誕生した子供への愛情を、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は新しい責任の色に染まった。

大切な人を亡くした悲しみを、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は深みのある感謝の色に染まった。

そして、今年もまた紫陽花が咲く。
今まで見た事も無い、鮮やかな色彩に染まって。



詩に近いのかな?これは。
我ながら、単純思考が見事に表れています。
人間性の深みが無いんだな…いてて。<自分で言って、自分で傷つく馬鹿
もっとじっくり練れば、もう少し面白い表現を考え付いたかも。
実はこれ、ちょっと怖いバージョンも考えていました。ふふ。

シーサーの島へ

6月の御題

「虹」
夢でも、希望でも、神の出現でも無い。その物理的現象に騙されるな



相変わらず、こんなところはとことんシビア思考です。



勢い余って、ツアー旅行を申し込みました。
スケジュールの都合上2泊3日なのがちと残念ではありますが、
久しぶりのダイビングは非常に楽しみです。うふふふふ。
それにしても、国内ツアーは10日前で申し込みを締め切る所が多く、
複数の旅行会社で断られました。うーん、油断していたな。
以前行ったサイパンかグァムって、一週間前を切って申し込まなかったっけ?
いえ、毎度突然思い立って行動する、計画性の無さが一番悪いんですけどね。

紫外線、きっついだろうなあ。日焼け対策だけは、万全を期せねば!
流石に年齢的に、日焼けをすると、もう取り返しがつかないよ;

お弁当の御礼に

先月、5月のお題「鈴蘭」「筍」「向かい風」です。

ジャンル違い、要注意。
以下、悟チチ小噺です。



身支度を全て整えた鏡の前にて。
チチは自分の手の平、髪、制服の袖、肩に顔を寄せ、くんくんと鼻を鳴らせた。台所にはパジャマ姿で立っているから制服は大丈夫、髪も洗ったし、何の匂いもしない筈…そう思いながら、勉強机の隅に置いている、その綺麗な瓶へと手を伸ばした。
綺麗な飾りの施された透明のそれは、先日厳選して購入した、鈴蘭をイメージした爽やかな香りのオーデコロン。
じいっと見つめ、少しばかり迷いつつ、そっとその蓋を開こうとした所で。
「おーい、チチー」
窓の外からの聞き馴れた声に、びくっと肩を震わせる。咄嗟にコロンは鞄に収めると、慌てて階段を駆け降り、台所に置いていたお弁当袋をひっつかみ、素早く靴を履いて、玄関先に飛び出した。
扉を開けたその正面、自転車に跨って待つ悟空を、むうっと睨みつる。
「もうっ。あんまり大きな声、出さねえでけろ」
チャイムがあるのに、大声で呼んで。朝っぱらから、御近所様に恥ずかしいだよ。
しかし当人は、彼女の怒りもどこ吹く風。さし出す特大サイズの弁当袋を、サンキューと嬉しそうに受け取った。それをリュックに入れて、ひょいと背負うと、ペダルに足を掛ける。ほらと促され、チチは唇を尖らせながら、後輪についたステップに足を掛けた。
見た目よりもしっかりした肩に手を掛けて、よっと乗り上がった瞬間、ふわりと太陽に似た匂いがした。
「大丈夫か?」
うんと頷くと、悟空はゆっくりと自転車を走らせた。立ち乗りはちょっと不安定だけど、この自転車の荷台は至極小さくてお尻が痛くなるし、これでも運動神経には自信がある。
それに、座ると彼の腰に手を回さなくちゃいけない。最近のチチは、それに何となく抵抗を感じていた。
手を置いた肩の位置に、ふと気付く。ああ、また少し、高くなったかもしれない。
同年代の男子に比較して、悟空は子供の頃からずっと小柄だった。ちゃんと栄養バランスを考えた食事をしないからか?両親が早世し、祖父と二人暮らしの幼馴染みに、チチがお弁当を作って手渡すようになったのは、中学に入って直ぐの事。
その甲斐あってか、特に今年、二年生に進級してからは、雨上がりの翌日の筍のごとく、日々にょきにょきと成長が目覚ましい。
「あ、今日は唐揚げだな」
あと、紫蘇の巻いた卵焼きだろ、胡麻和えに、きんぴら、それから…。
「ホント、良く分るだなあ」
毎朝見事に言い当てる悟空に、呆れると同時に感心してしまう。
「匂いがすっからな」
「お弁当、リュックの中なのにけ?」
背中に背負ったリュックの中のお弁当の匂いなんぞ、鼻に届く前に、自転車の向かい風に飛ばされそうなものなのに。
「前にも言ったろ。おめえからも匂いがすっからな」
これもあるから嫌なのだ、あまり体がひっつくのは。思わず眉根を寄せてしまうチチに、悟空が気付く事も無く。
「チチって、いつも良い匂いがするよな」
オラ、チチの匂いって、すげえ好きなんだよな。
ひょいと下から見上げてへらりと笑う悟空に、チチは唇を噛締めて、複雑な笑顔を返す。
肩にかけた自分の鞄の中。袋に入ったお弁当箱に、コロンの瓶がかたりとぶつかる音がした。



恋愛未満。意識しだす頃。
あえて自分的に最も苦手な、学生&ラブにチャレンジ!<え、ラブ?
女の子って、大体中学生ぐらいからかな?
デオドラントとか、シャンプーとか、チープ系コロンとか、
体臭や匂いをやたら気にするようになりますね。

今回の自分的実験ポイントは、
「お題の名詞こそ出せども、その物体自体は出さない」こと。
そして見事玉砕。向かい風がなあ…。
詰め込み過ぎて、全体のまとまり、バランスが非常に悪し。
あんまりポイントにこだわり過ぎて、無理するのも本末転倒か。

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