記事一覧

学ランダンサー

観劇メモ、「コンドルズ日本縦断大進撃ツアー2014『GIGANT〜ギガント〜』」。
漸く、久しぶりの観劇。そしてコンドルズは、昨年に続いて2回目かな。

ファイル 1534-1.jpg

前回同様、基本はコンテンポラリーダンス、それに映画やコント等も加わった、
笑いがたっぷりのエンターテイメント溢れる舞台となっておりました。
舞台いっぱい、縦横無尽に、飛んで、跳ねて、枠に嵌らないスタイルは、
観ていて楽しく、そして群舞は非常にカッコ良くてときめきます。
そして、「エーデルワイス」のシュールさにはじわじわきました。卑怯です、あれ。
あと、どう見てもサラリーマンには見えない、胡散臭さ全開の
「サラリーマンNEO」のサラリーマン体操メンバーは、流石に舞台に映えますね。
個性的なキャストも多くて、なんかもう、くそう、ずるいです。褒めています。

コンドルズの舞台は娯楽性が高いので、ダンスを始めて見に行く方にもお勧め。
久しぶりに観劇に行けたことも相まって、沢山笑えて、すごくパワーを頂きました。

フルーツ山盛り

映画を観てきました、恒例の甥っ子君との映画会です。観たのは勿論、
「劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!」と
「烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS」の二本立て。
長いタイトルですね。

ファイル 1514-1.jpg

前半はトッキュージャー。今期は女子が二人なんですね。
何かとツッコミが追い付きませんが、戦隊物はノリが軽くてコミカルで、
初見でもなんとなく把握できるような、分かりやすい内容でした。

そして後半は仮面ライダーガイム。
前作のウィザードは何度かテレビも観ていたので、何となく判ったのですが、
今作のガイムは、正直その世界観についていけなかったです。
なんか仮面ライダー多くね? で、誰が仲間で誰が敵? 
もしかしてショッカー的怪人が居ないの? バイクじゃなくて馬? 
しかもサッカー? リアル現役サッカー選手? ちょ、ゴン中山さん? 
何より、劇団新感線の吉田メタルさんがレギュラー? と、衝撃が多かったです。

それでも、甥っ子君は面白そうに見ていたし、アクションは良かったし、
テレビ放映を見ている人にとっては楽しめる作品だったのでしょう、多分。
ただ、折角の愛之助丈、もっと活躍してほしかったのが残念でした。

因みに今回の劇場プレゼントは、メガホン。紙製で、ちとチャチかったです。

降板から復帰へ

新感線公演「蒼の乱」を観劇してきました。
古田氏不在の中、目的は何と言っても復帰された天海祐希女史。
内容自体は説明不要の、新感線節炸裂なスケールのあるエンターテイメントです。

主演は天海女史とありますが、物語としては松山ケンイチ氏になるのかな?
ただ、彼のファンには申し訳ありませんが、どうしても物足りなさがあります。
特に前半、松山氏が前面に出る展開なのですが、正直ややだるさを感じました。
物語の流れ故のものではありません。彼は舞台に慣れていないのかな?
半面後半、天海女史がメインに押し出される展開には、ぐいぐい惹き込まれます。
男役経験者だからこそのドスの利かせ方といい、華のある存在感といい、
歌えて、踊れて、ポーズも決まる無双ぶりといい、観ててときめきます。
ラスト、あの広い舞台をあのシンプルなセットのみで魅せる力量を持つ彼女は、
やっぱり凄い女優さんなんだなあと、改めて思いました。

早乙女太一氏の立ち回りは、相変わらず美しいですね。舞を見ているようです。
後で知りましたが、兄弟での殺陣をしていたんですね。見事でした。
個人的には、彼にこそ、大竹しのぶ女史と共演の身毒丸をやって欲しいなあ。
橋本じゅん氏にもしてやられました。あの小技の利いた落ち着きの無さといい、
出てくる度に何かを期待させる卑怯さといい……もー、好き。
高田聖子女史は、ちょっともったいない役回りだったような気がします。

ファイル 1457-1.jpg

新感線公演、そろそろネタ物が観たくなってきました。
本作のようなスケール感のある舞台も良いですが、
要らん力が無駄に漲った(褒めてます)舞台も好きです。

東西融合の舞台

「狂言風オペラ2014 ドン・ジョバンニ 管楽八重奏版」を観劇しました。
ドイツの楽団と日本の伝統芸能のコラボで、2011年に続いて、二回目かな?
観客の年齢層が比較的高めで、中高年男性が多かったように見受けられました。

ファイル 1447-1.jpg

狂言だけに、基本喜劇です。上演中は笑いが絶えず、客いじり有、
楽団いじり有、終始和やかに、老若男女が安心して楽しめる安定感があります。
特に狂言役者さんだけに、発声の見事さには相変わらず惚れ惚れします。
後、能に関してはいまいち理解できない無粋者ですが、鼓の音は凄く好きでして、
ラスト近くにあった管楽器との演奏はとても味があって良いなあと思いました。

何気に目を引いたのが、亡霊役の衣装の柄。さり気ない亡霊柄がラブリー。
そして今回も前回同様、演奏者と役者がお酒を飲むシーンがありましたが、
これって何気にこのコラボ舞台のお約束になっているのか?
ちなみに今回、演者が客席に下りて客いじりがありましたが、
うれしはずかし、ドンファン童司ちゃんに声をかけて貰えましたよ。うひゃ。

前回観た際にも同じ感想を持ちましたが、知名度の低さが本っ当に勿体ない、
オペラも狂言も未経験の方にこそ観て頂きたい、非常に良質な舞台でした。
伝統芸能の入門には、狂言をお勧めします。

第七番目の芸術

観劇に行ってきました、作・演出三谷幸喜の「国民の映画」です。
三年間に初演を上演し、その年の演劇賞を総なめにした作品の再演になります。

ファイル 1422-1.jpg

豪華な役者人、特に男性陣は非常に渋好みのメンバーが揃っており、
正直彼らを見るだけでも充分に価値のある舞台であると言えます。
勿論内容も、それぞれ個性的な登場人物、はっきりしたテーマ等、
流石は名前だけで集客の望める日本屈指の脚本家、誰もが認める良作です。
ただ、単純に「物語」として見ると、正直自分の好みではないかな?
後半に明かされる「真実」も比較的予想の範疇で、
結局何も解決されていなくて、最後に残るもやっと感が苦手なんでしょうね。
これはホント好みの問題。作品として素晴らしい事に、全く異論はありません。
そして、この舞台を観ることが出来て良かったとも思っております。

今回の作品、初演当時は丁度震災の真っ只中だったようですが、
見る人にとっていろんな物議を醸し出したのではないでしょうか。
劇中、「芸術を愛してはいけないのか?」との質問の答えが、
咄嗟に頭に浮かんだ自分の意見と一言一句違わなかったことに何気にびっくり。
最初から最後まで舞台中央で静かに燃える暖炉の炎は、
もしかすると何かの象徴だったのでしょうか。

去年の「ホロヴィッツとの対話」を見た時にも強く感じましたが、
三谷氏の作品は初期の劇団の頃に比べると随分変わっておりますね。
独特の小技が利いた、微妙にマニアックな笑いが特徴的だったのですが、
近年の作品はマイルドで正統派路線に移行しつつあるように思います。
個人的には彼にしかできない笑いが好きなので、少々寂しくも感じますが、
それでも舞台としての完成度は相変わらずとても高いので、
今後も気になる作品にはどしどし足を運ぶつもりでおります。

五穀豊穣の踊り

幕見席にて、松竹座「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」を観劇して参りました。
流石は現代の生ける伝説坂東玉三郎丈、チケット即完売は当たり前、
せめて幕見をと朝早くから挑みましたが、幕見席販売三十分前には既に列、
しかも早々に売り切れ、何とか一幕だけ残っておりましたが、
残念ながらそれは玉三郎丈が出演しない演目……しょぼん。
でもまあ、折角だし、とその演目「三番叟」を観ることにしました。

ファイル 1387-1.jpg

演目は「操り三番叟」。公演名通り、歌舞伎劇ではなく、日舞です。
基本、小演劇が好きなので、舞や能はイマイチ理解に乏しい不勉強者ですが、
この三番叟、いや本当に素晴らしくて、感動してしました。
実は玉三郎丈&七之助丈の二人藤娘を狙っていたのですが、見終えてみると、
自分の好みを考えれば、この三番叟で良かったのかも知れません。

内容はコミカルなものなので、上演中はあちこちから笑いが零れておりました。
三番叟(操り人形)演じる猿弥丈の舞なのですが、これが本当に凄かった。
見てて口があんぐりしました。この三番叟、まあ動くこと動くこと。
コサックダンスみたいな足の運びがあり、バランスの悪いポーズでの静止があり、
多分こちらが受ける印象以上に難しい舞だったのではないでしょうか。
玉三郎丈は拝見できずに残念でしたが、とても面白かったです。

十月の維新派公演から、観たい芝居のチケットが取れなかったり、
時間的な理由から少々遠ざかっておりましたが、やっぱり舞台って良いよなあ。

勇敢なる臆病者

読書覚書。

少し前になりますが、話題の小説「永遠の0」を読了しました。
乗り物内で本を読むと高確率で酔ってしまうタイプなので、
電車待ちの時間を利用して、気長に読むつもりで鞄の中に入れておりました。
そんな中、沿線の電車が人身事故で見事ストップ。
他の鉄道に乗り換えるにも微妙な場所だし、タクシーには既に長蛇の列。
駅で二時間程足止めを食らってしまい、タイミングが良いのか悪いのか、
その間に後半の盛り上がり部分からラストまで、一気読みすることができました。
お陰さまで、電車待ちの間は殆ど苛々を感じることなく過ごせました。

いや、流石はベストセラー作品、とっても良い作品でした。
読みやすく、理解しやすく、その場の情景が頭にはっきりと浮かぶような文体は、
やはり放送作家さんだからなのかな。流石です。
その時代や、大戦の事項や、日本軍の戦況の推移が解りやすく、
今まで疑問に思っていた所も納得のできる解釈となっており、勉強になりました。
ただその内容だけに、途中で本気で腹が立ったり、もどかしくなったり、
苦しくなったり、辛くなります。最初から結末を知っているだけに、尚更。
後半の「そうだったのか!」には、おおっとなりました。こんな展開は凄く好き。
そして噂の通り、ええ、泣きました。電車の中で。
公共の場だったので、泣きそうになって、本を閉じて心落ち着けて、
再び読み始めて、泣きそうになって、本を閉じて心落ち着けて……の繰り返し。
辛うじて涙が零れるのは堪えましたが、傍から見ると変な人だっただろうな。

そして、ファンの方々には非常に、非常に申し訳ありませんが、
読み進めるうちに、宮部氏がヘタの祖国と被って困りました。
多分、自分の中のキャライメージが、すごく近いんだと思います。

映画も上映中ですが、こちらの評判も良さそうなので是非観たいですね。
改めて、広島の呉にある大和ミュージアムに、もう一度行きたくなりました。
前に足を運んだ時とは、また違った印象になるだろうな。
この大戦の辺りに関しては、もっともっと要勉強ですね。

臭い台詞が好き

さて年末の話ですが、甥っ子君のご希望通り、映画に行ってきました、
「仮面ライダー鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦」です。
前半は前作のウィザード、そこから繋がるように新作鎧武メインの物語に移行。

前半のウィザードの作品は、えらいラブストーリー色が強く、
完結の意味も含めて、すっきり綺麗に纏まっていた気がします。
今後顔を出すぐらいはあると思うけど、もう物語としては終わりでしょうね。
自分自身で自分自身を助け、世界中のどの場所でも無く、
自分の中の大切な思い出の中に大切な最後の希望を託す……、
そんなニュアンスを含めた締めは非常に良いなあと思いました。
もしかしてこの脚本家さんは女性かな? どうもそんな印象を受けました。

後半の鎧武は……すいません、正直なんだか良く掴めませんでした。
テレビ放映を一度も見ていなかったってのが理由なのでしょうが、
それでも、「えええーっ」という突っ込み所がやたら多かったですね。
多分、今の仮面ライダーの世界観に入り込めていないからなの……かな?
特撮業界は全く無知ですが、これ脚本家が違う人なのでしょうね。
思えばウィザードって、ストーリー的にも、設定的にも、展開的にも、
台詞回しの臭さレベル的にも、一途なキャラ的にも、
何だかんだと結構自分の好みだった気がします。
甥っ子くんの付き合いで数えるほどしか見てなかったけど、勿体無かったかも。

今回、劇場で映画鑑賞のおまけで貰ったのは、昔懐かし塗絵ノート。

ファイル 1372-1.jpg

結構ボリュームがあって、中は映画の内容や、歴代のライダー達の紹介など、
なかなか充実しておりまして、早速甥っ子君と二人で塗絵遊びをしました。

そこはどこですか

013瀬戸内国際芸術祭旅行

のんびり探索していたらもうこんな時間! 案内の人に場所を聞いて、
慌てて走って向かったのが、島の海水浴場に設置された特別野外舞台。
今回の芸術祭参加作品の切欠でもあり最大の目的でもある、
劇団維新派公演「MAREBITO」の公演会場です。

すいません、今回は長々と語ります。

劇団維新派とは、松本雄吉氏が率いる関西を拠点とする劇団でして、
劇団員が自ら巨大な屋外舞台を建設し、解体する、大がかりな公演でも有名。
「喋らない台詞、歌わない音楽、踊らない踊り」とも称される独特の演出は、
不条理系ともアングラともまた違う、寺山修司以上に特殊で、
内容の説明が非常に難しい、不思議な舞台を作り上げます。
自分の中で、維新派を見て強く感じたのは、以下の二言。↓

想像力の概念を根底から覆されます。
才能という言葉に打ちのめされます。

自分の中で、頭の中を覗かせて欲しい人筆頭が、実はこちらの演出家松本氏。
場に居合わせ、空気を共有し、体感するこちらは、DVDでは決して理解出来ない、
劇団が消滅すれば再現不可となるであろう、ある意味唯一無二の舞台。
万人にはお勧めできませんが、時代に居合わせた自分は幸運だと思います。
恐らく、伝説になる劇団ですね。

さて、そんな劇団維新派。基本的に物語性の強い作品が好みの自分としては、
維新派に関しては実はかなり当たり外れがあったりします。
今回は芸術祭とポスターの美しさに惹かれて重い腰を上げたのですが、
正直、予想以上に大当たりでした。久しぶりにツボに来たぞ。

ファイル 1339-1.jpg

まるでフォトフレームに収められた写真のように、美しい舞台美術。
舞台は空のまだ明るい夕方から始まり、月の輝く夜闇の中で終演。
時間帯、舞台設置場所や背景、月と星、桟橋等々、全てが計算されていて、
この緻密さと大掛かりさは流石野外公演ならではですな。

本作品は、幾度となく公演場所となった、この犬島に対するオマージュですね。
何処までも一際白い透明感、奥行きのある幻想空間、海の向こうの母、
海からやってきた少女、息を止めて会話をする、卵生への生まれ変わり、
宇宙を泳ぐ、縄文人の小柄な男性の骨、太古は陸であった海、戦闘機、
目の覚めるような青い海、そして流れてきたのは果たして……?

ストーリー性が高い作品でないにも拘らず、すごく惹きつけられました。
このノスタルジックで、切ないまでに透き通った世界観は、
恐らく維新派でしか味わえないんですよね。
途中足元に張られた水が、照明で真っ青になる演出には、おお、と思いました。
不思議な喧騒感のある舞台なのですが、最後に残るのは痛い程の静寂の余韻。
いやあ、感動した。来て良かった。素晴らしい。良い舞台に巡り合えました。
でも何に感動したのかと問われれば、口で上手く説明できないんだよな。
圧倒され、衝撃を受け、自分の中の感受性を揺さぶられる、そんな感じ。
多分、維新派を知っている人なら、お解り頂けるのではなかろうか。

「維新派の野外公演は、旅をする時から始まる」とも言われております。
電車やバスを乗り継いで、フェリーに乗って、島に足を踏み入れて、
日常とは違う別の世界へのトリップこそが、維新派の狙いなのでしょうね。

男はいつもそう

舞台を見てきました「コンドルズ~TIME IS ON MY SIDE」です。
サラリーマンNEOのサラリーマン体操の方々、と言えば判るかな?
番組ではスーツ姿ですが、コンドルズは学ランダンサーとして有名です。
海外遠征も多く、予てより観てみたいと狙っていた舞台でした。

ファイル 1268-1.jpg

いやあ、すっごく楽しかった。基本はコンテンポラリーダンスかな。
加えて、コントもあり、人形劇もあり、映像もあり、観客いじりもあり、
ダンスがあまり判らない方でも、充分に楽しめる構成となっております。
コンテンポラリーダンスは正直よく判らない所も多いのですが、
飛んだり、跳ねたり、縦横無尽に踊る姿に、こちらまで楽しさが伝わります。
多分、今まで見たコンテンポラリーダンスの中で、見てて一番楽しかったかも。
もしかすると、振付が自分の好みだったのかもしれません。
そして、主宰の近藤良平氏は、やっぱり流石の一言ですね。
無音の中でのダンスは、綺麗な照明と相まって、本当に引きつけられました。

ダンスが判らない方でも、寧ろ初めて観に行く方にもお勧めできる、
エンターテイメント性の高い、とても見応えのある舞台でした。
コンドルズ、次回も是非観に行きたいです。

ページ移動