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ロシアンマイム

観劇メモ、「スラバのスノーショー」を観て参りました。

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過去に幾度かシルクドソレイユの公演を観に行ったことがありますが、
実はその中で一番印象に残ったのが、「アレグリア2」のラストのクラウン。
そのクラウンの舞台と聞いて、今回興味を持って足を運びました。
失敗したのが、体感型舞台なのに、うっかり二階席を取ってしまったこと。
チケットを一気に購入した中の一つなので、節約心が動いちゃったのですよ。
会場の入り口には、劇場内のスモーク&大雪&強風注意報。

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内容は、笑いよりも雰囲気重視のクラウンマイムです。
シルクドソレイユ参加のクラウン、観客一体型舞台との煽り文句、
且つ夏休みという時期も重なった為か、家族連れも沢山いらしていました。
ただ、美しいビジュアルや、クラウンのイメージが持つ
何処となくもの悲しさと哀愁漂う世界観は良いのですが、
ロシア系独特のトーンの低さがあり、ある意味観念的な側面もあり、
子供が手放しで楽しめる舞台……とはあまり思いませんでした。
とは言え、客いじりや、変わった仕掛けもふんだんに盛り込まれ、
観客も一体になって楽しめる要素は充分に詰まっております。

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ラストは、写真撮影も席移動も可。一階席に走って移動したよ。
間違いなく良い舞台なのですが、でもなぜだろう、微妙に物足りなさが残ります。
来日公演の舞台って時間が短いから? 感性が違うから? チケットの高さ?
そういや、以前「ドラムストラック」を見た際にも近いものを感じましたな。

突き刺す透明感

なにわ橋駅にあるアートエリアにて開催されている、
「維新派の16,259日」展へ行ってきました。
実際の舞台を彷彿とさせる空間に、過去の公演ポスター展示や、
過去作品の映像上映、公開講座の開催なども催されております。

そして各々方、こいつを見てくれたまえ。

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今秋大阪で上演される公演「透視図」の舞台模型が置いておりましたが、
なんとまあ美しい。これ、タイトルロゴとシンクロしているんですね。
維新派の舞台美術の美しさと、手抜きの無い感じは、毎度本当に感心します。

久しぶりの大阪での野外舞台本公演。チケット、もう買いましたよ。
いろんな企画も相まって、力の入り具合も伝わり、今から非常に楽しみです。
維新派はその個性の強さから決して万人にはお勧めできないのですが、
それでも、舞台に興味のある方には、是非一度「体験」して頂きたいです。

学ランダンサー

観劇メモ、「コンドルズ日本縦断大進撃ツアー2014『GIGANT〜ギガント〜』」。
漸く、久しぶりの観劇。そしてコンドルズは、昨年に続いて2回目かな。

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前回同様、基本はコンテンポラリーダンス、それに映画やコント等も加わった、
笑いがたっぷりのエンターテイメント溢れる舞台となっておりました。
舞台いっぱい、縦横無尽に、飛んで、跳ねて、枠に嵌らないスタイルは、
観ていて楽しく、そして群舞は非常にカッコ良くてときめきます。
そして、「エーデルワイス」のシュールさにはじわじわきました。卑怯です、あれ。
あと、どう見てもサラリーマンには見えない、胡散臭さ全開の
「サラリーマンNEO」のサラリーマン体操メンバーは、流石に舞台に映えますね。
個性的なキャストも多くて、なんかもう、くそう、ずるいです。褒めています。

コンドルズの舞台は娯楽性が高いので、ダンスを始めて見に行く方にもお勧め。
久しぶりに観劇に行けたことも相まって、沢山笑えて、すごくパワーを頂きました。

フルーツ山盛り

映画を観てきました、恒例の甥っ子君との映画会です。観たのは勿論、
「劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!」と
「烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS」の二本立て。
長いタイトルですね。

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前半はトッキュージャー。今期は女子が二人なんですね。
何かとツッコミが追い付きませんが、戦隊物はノリが軽くてコミカルで、
初見でもなんとなく把握できるような、分かりやすい内容でした。

そして後半は仮面ライダーガイム。
前作のウィザードは何度かテレビも観ていたので、何となく判ったのですが、
今作のガイムは、正直その世界観についていけなかったです。
なんか仮面ライダー多くね? で、誰が仲間で誰が敵? 
もしかしてショッカー的怪人が居ないの? バイクじゃなくて馬? 
しかもサッカー? リアル現役サッカー選手? ちょ、ゴン中山さん? 
何より、劇団新感線の吉田メタルさんがレギュラー? と、衝撃が多かったです。

それでも、甥っ子君は面白そうに見ていたし、アクションは良かったし、
テレビ放映を見ている人にとっては楽しめる作品だったのでしょう、多分。
ただ、折角の愛之助丈、もっと活躍してほしかったのが残念でした。

因みに今回の劇場プレゼントは、メガホン。紙製で、ちとチャチかったです。

降板から復帰へ

新感線公演「蒼の乱」を観劇してきました。
古田氏不在の中、目的は何と言っても復帰された天海祐希女史。
内容自体は説明不要の、新感線節炸裂なスケールのあるエンターテイメントです。

主演は天海女史とありますが、物語としては松山ケンイチ氏になるのかな?
ただ、彼のファンには申し訳ありませんが、どうしても物足りなさがあります。
特に前半、松山氏が前面に出る展開なのですが、正直ややだるさを感じました。
物語の流れ故のものではありません。彼は舞台に慣れていないのかな?
半面後半、天海女史がメインに押し出される展開には、ぐいぐい惹き込まれます。
男役経験者だからこそのドスの利かせ方といい、華のある存在感といい、
歌えて、踊れて、ポーズも決まる無双ぶりといい、観ててときめきます。
ラスト、あの広い舞台をあのシンプルなセットのみで魅せる力量を持つ彼女は、
やっぱり凄い女優さんなんだなあと、改めて思いました。

早乙女太一氏の立ち回りは、相変わらず美しいですね。舞を見ているようです。
後で知りましたが、兄弟での殺陣をしていたんですね。見事でした。
個人的には、彼にこそ、大竹しのぶ女史と共演の身毒丸をやって欲しいなあ。
橋本じゅん氏にもしてやられました。あの小技の利いた落ち着きの無さといい、
出てくる度に何かを期待させる卑怯さといい……もー、好き。
高田聖子女史は、ちょっともったいない役回りだったような気がします。

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新感線公演、そろそろネタ物が観たくなってきました。
本作のようなスケール感のある舞台も良いですが、
要らん力が無駄に漲った(褒めてます)舞台も好きです。

東西融合の舞台

「狂言風オペラ2014 ドン・ジョバンニ 管楽八重奏版」を観劇しました。
ドイツの楽団と日本の伝統芸能のコラボで、2011年に続いて、二回目かな?
観客の年齢層が比較的高めで、中高年男性が多かったように見受けられました。

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狂言だけに、基本喜劇です。上演中は笑いが絶えず、客いじり有、
楽団いじり有、終始和やかに、老若男女が安心して楽しめる安定感があります。
特に狂言役者さんだけに、発声の見事さには相変わらず惚れ惚れします。
後、能に関してはいまいち理解できない無粋者ですが、鼓の音は凄く好きでして、
ラスト近くにあった管楽器との演奏はとても味があって良いなあと思いました。

何気に目を引いたのが、亡霊役の衣装の柄。さり気ない亡霊柄がラブリー。
そして今回も前回同様、演奏者と役者がお酒を飲むシーンがありましたが、
これって何気にこのコラボ舞台のお約束になっているのか?
ちなみに今回、演者が客席に下りて客いじりがありましたが、
うれしはずかし、ドンファン童司ちゃんに声をかけて貰えましたよ。うひゃ。

前回観た際にも同じ感想を持ちましたが、知名度の低さが本っ当に勿体ない、
オペラも狂言も未経験の方にこそ観て頂きたい、非常に良質な舞台でした。
伝統芸能の入門には、狂言をお勧めします。

第七番目の芸術

観劇に行ってきました、作・演出三谷幸喜の「国民の映画」です。
三年間に初演を上演し、その年の演劇賞を総なめにした作品の再演になります。

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豪華な役者人、特に男性陣は非常に渋好みのメンバーが揃っており、
正直彼らを見るだけでも充分に価値のある舞台であると言えます。
勿論内容も、それぞれ個性的な登場人物、はっきりしたテーマ等、
流石は名前だけで集客の望める日本屈指の脚本家、誰もが認める良作です。
ただ、単純に「物語」として見ると、正直自分の好みではないかな?
後半に明かされる「真実」も比較的予想の範疇で、
結局何も解決されていなくて、最後に残るもやっと感が苦手なんでしょうね。
これはホント好みの問題。作品として素晴らしい事に、全く異論はありません。
そして、この舞台を観ることが出来て良かったとも思っております。

今回の作品、初演当時は丁度震災の真っ只中だったようですが、
見る人にとっていろんな物議を醸し出したのではないでしょうか。
劇中、「芸術を愛してはいけないのか?」との質問の答えが、
咄嗟に頭に浮かんだ自分の意見と一言一句違わなかったことに何気にびっくり。
最初から最後まで舞台中央で静かに燃える暖炉の炎は、
もしかすると何かの象徴だったのでしょうか。

去年の「ホロヴィッツとの対話」を見た時にも強く感じましたが、
三谷氏の作品は初期の劇団の頃に比べると随分変わっておりますね。
独特の小技が利いた、微妙にマニアックな笑いが特徴的だったのですが、
近年の作品はマイルドで正統派路線に移行しつつあるように思います。
個人的には彼にしかできない笑いが好きなので、少々寂しくも感じますが、
それでも舞台としての完成度は相変わらずとても高いので、
今後も気になる作品にはどしどし足を運ぶつもりでおります。

五穀豊穣の踊り

幕見席にて、松竹座「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」を観劇して参りました。
流石は現代の生ける伝説坂東玉三郎丈、チケット即完売は当たり前、
せめて幕見をと朝早くから挑みましたが、幕見席販売三十分前には既に列、
しかも早々に売り切れ、何とか一幕だけ残っておりましたが、
残念ながらそれは玉三郎丈が出演しない演目……しょぼん。
でもまあ、折角だし、とその演目「三番叟」を観ることにしました。

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演目は「操り三番叟」。公演名通り、歌舞伎劇ではなく、日舞です。
基本、小演劇が好きなので、舞や能はイマイチ理解に乏しい不勉強者ですが、
この三番叟、いや本当に素晴らしくて、感動してしました。
実は玉三郎丈&七之助丈の二人藤娘を狙っていたのですが、見終えてみると、
自分の好みを考えれば、この三番叟で良かったのかも知れません。

内容はコミカルなものなので、上演中はあちこちから笑いが零れておりました。
三番叟(操り人形)演じる猿弥丈の舞なのですが、これが本当に凄かった。
見てて口があんぐりしました。この三番叟、まあ動くこと動くこと。
コサックダンスみたいな足の運びがあり、バランスの悪いポーズでの静止があり、
多分こちらが受ける印象以上に難しい舞だったのではないでしょうか。
玉三郎丈は拝見できずに残念でしたが、とても面白かったです。

十月の維新派公演から、観たい芝居のチケットが取れなかったり、
時間的な理由から少々遠ざかっておりましたが、やっぱり舞台って良いよなあ。

勇敢なる臆病者

読書覚書。

少し前になりますが、話題の小説「永遠の0」を読了しました。
乗り物内で本を読むと高確率で酔ってしまうタイプなので、
電車待ちの時間を利用して、気長に読むつもりで鞄の中に入れておりました。
そんな中、沿線の電車が人身事故で見事ストップ。
他の鉄道に乗り換えるにも微妙な場所だし、タクシーには既に長蛇の列。
駅で二時間程足止めを食らってしまい、タイミングが良いのか悪いのか、
その間に後半の盛り上がり部分からラストまで、一気読みすることができました。
お陰さまで、電車待ちの間は殆ど苛々を感じることなく過ごせました。

いや、流石はベストセラー作品、とっても良い作品でした。
読みやすく、理解しやすく、その場の情景が頭にはっきりと浮かぶような文体は、
やはり放送作家さんだからなのかな。流石です。
その時代や、大戦の事項や、日本軍の戦況の推移が解りやすく、
今まで疑問に思っていた所も納得のできる解釈となっており、勉強になりました。
ただその内容だけに、途中で本気で腹が立ったり、もどかしくなったり、
苦しくなったり、辛くなります。最初から結末を知っているだけに、尚更。
後半の「そうだったのか!」には、おおっとなりました。こんな展開は凄く好き。
そして噂の通り、ええ、泣きました。電車の中で。
公共の場だったので、泣きそうになって、本を閉じて心落ち着けて、
再び読み始めて、泣きそうになって、本を閉じて心落ち着けて……の繰り返し。
辛うじて涙が零れるのは堪えましたが、傍から見ると変な人だっただろうな。

そして、ファンの方々には非常に、非常に申し訳ありませんが、
読み進めるうちに、宮部氏がヘタの祖国と被って困りました。
多分、自分の中のキャライメージが、すごく近いんだと思います。

映画も上映中ですが、こちらの評判も良さそうなので是非観たいですね。
改めて、広島の呉にある大和ミュージアムに、もう一度行きたくなりました。
前に足を運んだ時とは、また違った印象になるだろうな。
この大戦の辺りに関しては、もっともっと要勉強ですね。

臭い台詞が好き

さて年末の話ですが、甥っ子君のご希望通り、映画に行ってきました、
「仮面ライダー鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦」です。
前半は前作のウィザード、そこから繋がるように新作鎧武メインの物語に移行。

前半のウィザードの作品は、えらいラブストーリー色が強く、
完結の意味も含めて、すっきり綺麗に纏まっていた気がします。
今後顔を出すぐらいはあると思うけど、もう物語としては終わりでしょうね。
自分自身で自分自身を助け、世界中のどの場所でも無く、
自分の中の大切な思い出の中に大切な最後の希望を託す……、
そんなニュアンスを含めた締めは非常に良いなあと思いました。
もしかしてこの脚本家さんは女性かな? どうもそんな印象を受けました。

後半の鎧武は……すいません、正直なんだか良く掴めませんでした。
テレビ放映を一度も見ていなかったってのが理由なのでしょうが、
それでも、「えええーっ」という突っ込み所がやたら多かったですね。
多分、今の仮面ライダーの世界観に入り込めていないからなの……かな?
特撮業界は全く無知ですが、これ脚本家が違う人なのでしょうね。
思えばウィザードって、ストーリー的にも、設定的にも、展開的にも、
台詞回しの臭さレベル的にも、一途なキャラ的にも、
何だかんだと結構自分の好みだった気がします。
甥っ子くんの付き合いで数えるほどしか見てなかったけど、勿体無かったかも。

今回、劇場で映画鑑賞のおまけで貰ったのは、昔懐かし塗絵ノート。

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結構ボリュームがあって、中は映画の内容や、歴代のライダー達の紹介など、
なかなか充実しておりまして、早速甥っ子君と二人で塗絵遊びをしました。

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