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パワハラだよね

幕見にて、七月大歌舞伎「播州皿屋敷」を観劇。
有名な怪談ですが、意外な事に関西では初上演だったそうです。
久しぶりに歌舞伎を観ましたが、やっぱり面白いな。
計算された決めポーズは、おお!と思うほど本当にカッコ良くて、
もだえ、苦しむ女形の動きの色っぽさがたまらんとですよ。
誰もが知っているお話だけに、とっつきやすく、初心者にもお勧め。
尚、今年は播州皿屋敷伝説150年らしいです。そうだったのか。

ちなみに、このお話のヒロインは「菊」という名前だったんですね。
名前を呼ばれる度に、腐ったハートが変な動悸を打ち鳴らしました。
だって、家老に関係を迫られ、それをはねつけると濡れ衣を着せられ、
棒で折檻され、縄で縛られ、殺され、復讐の為に化けて出るなんて貴方…。

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好きな人には優しくしなくちゃ駄目だよ。
首を縦に振らないからって、殴っちゃいかんよ。余計嫌われるよ。
上演中、何度もそう思っておりました。

そんな人間模様

読書覚書

・「第二次世界大戦紳士録」ホリエカニコ

変形サイズの漫画です。何気に目に付いて購入しましたが、これが大当たり。
タイトル通り、太平洋戦争時の要人軍人のエピソードを書いたもので、
ドイツと日本の軍人メインに取り扱っております。
癖が強い作風ですが、何と言うか、じわじわきます。中毒性アリ。
一度目よりも、二度、三度読み返した時の方が、不思議と楽しめました。
表紙絵は非常にカッコ良いのですが、基本は二頭身キャラのギャグ漫画。
それでもきっちり調べられたであろう面白エピソードが満載で、
お好きな方にはかなりツボにはいるかと思われます。
この時代にも凄く興味が沸いてきました。入門書としてもお勧めかと。
是非とも続編として、日清日露戦争版が読みたいよう。



何だか、連載が回を追うごとに、一話分が長くなってゆく気がします。
どんどん自分を追い詰めている気がするぞ、これ。大丈夫か、自分…。

随分久しぶりに

映画を見に行きました。「ザ・ライト -エクソシストの真実-」です。
普通だったらわざわざ映画館に足は運ばないであろう映画ですが、
キリスト教の悪魔に対する捉え方と、世界観が知りたかったのですよ。
以下、ネタバレ要注意。



キリスト教圏では悪魔憑きですが、日本では狐憑きになるんだろうな。
実話を元にしているとの事ですが、エクソシスト講座も本当なのか?
基本的に神様に対してはかなりシビアな目でしか見れないタチですが、
それでも世界各国でそれなりの事例があるという事は、
やはりそういった「邪悪な何か」ってのは存在するのでしょうね。

映画の中、悪魔に名前を名乗らせるってのは、何気に興味深いな。
どうして名前なのかな?言霊?中国の字の概念にも通じる気がします。
そこの所、掘り下げるとなかなか奥深そうなので、非常に気になりました。

それにしても、あちらのホラーって、何でそう驚かす系が多いかなあ。
毎度毎度、見事にびくってしておりましたよ。もー、ちくしょうめ。

いまもむかしも

読書覚書

・「ヨーロッパ人の見た幕末使節団」鈴木健夫・他

学術書の括りでしょうが、非常に読み易かったです。
有名な幕末の使節団を、イギリス、ドイツ、ロシアの報道側から見たもの。
視点にそれぞれのお国柄が滲み出ておりますが、
各国共通している日本人の印象が、礼儀正しく、好奇心旺盛…かな。
(工場など見学の際)いつもはぐれて意外な所から現れる不思議な性分、
しかも凝りない…てな描写に吹き出しました。
多分好奇心のままにあちこち見て回っているからでしょうが、可愛いな、おい。
写真が好きな所とか、食に対して結構柔軟な所とか、
何気に現代人に共通する所もあって興味深いですな。
日本の出版物だから好意的な部分ばかりを抜粋しているのかな…と考える辺り、
やっぱり自分は自虐的なのでしょうかね?



そろそろスギ花粉が終わって、ヒノキ花粉なのかな?
くしゃみの連発で頭痛がします。あう。

モテ男と非モテ男

三谷幸喜脚本舞台「ろくでなし啄木」を観劇。
前日にチケットセンターへ電話をして当日券を購入しましたが、
歴代ベストシートトップ10に数えられるであろう良い席でした。
当日券ってギャンブルですが、稀にこんな時がありますね。

三谷氏脚本、主演に藤原竜也氏と中村勘太郎氏という超豪華な顔ぶれ。
宣伝でエロティックミステリーとあったので、
三谷さんがエロスだって?!と少々驚いておりましたが、
この方のエロスレベルには非常に親近感を覚えました。ふふ。

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主演の二人は文句なく素晴らしい。彼らを観るだけでも価値アリ。
両者滑舌も素晴らしいので、この二人の「笑いの大学」が観たいなあ。
後、舞台らしい場面転換が面白く、秀逸。この手の手法はかなり好み。
それにしても中村氏は流石歌舞伎役者、温泉宿の浴衣を着ているだけで、
和服慣れしていると感じさせる謎の貫禄があります。

ただ、席が良かったからあまり自分は思わなかったのですが、
この舞台でこの料金は高く感じる人もいらっしゃるかと。
もう少し価格を抑えれば、客入りが全然変わったんじゃなかろうか。

大凧相勤め申し候

幕見にて、新春歌舞伎「江戸宵闇妖鉤爪」を観劇。
江戸川乱歩「人間豹」を歌舞伎アレンジしたものです。

時代背景を江戸末期に置き換え、乱歩の怪しげな世界観を崩さず、
判りやすく、笑いも織り込んだ、エンターテイメント性の高い良作。
演者も豪華で、宙乗りもあり、テンポも良く、かなり楽しめました。
それにしても、やっぱり歌舞伎は絵になるよなあ。
決めポーズが様になって、素直にカッコ良い!と思えます。

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昔は銀座でのみあった幕見ですが、最近は大阪もやっているんですね。
気になる演目が低価格で観れるのは、舞台好きとしては有り難いよう。
最近は面白い演出家を起用したりするので、
大阪公演も小まめにチェックしておこう。

ナイスですねー

劇団新感線公演「鋼鉄番長」観劇。
久々のネタものですね。くだらなさがてんこ盛りです。褒めてます。
無駄に力一杯で、無駄に凝っていて、無駄にカッコ良いです。<愛
下ネタ満載なのに、あまりにも馬鹿馬鹿しくてえっちくありません。
舞台上でも突っこまれていましたが、古田氏は随分お痩せになりましたね。
今回は役者の降板が重なり、皆さん大変な思いをされたでしょうが、
空っぽ頭で楽しめる、観て良かったなと思える舞台でした。
観終わった後、セーラー服刑事な例の土佐弁が、頭から離れなくなります。

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劇場の入り口に、演出のいのうえ氏がおいででしたが、
確か以前同じ劇場に見に来た時も同じ所にいらっしゃったな。
気付いた何人か、パンフにサインをお願いしてましたね。
あまりにも普通にスタッフ然とそこにいるので、
最初は気付かずびっくりしましたよ。
自分もサインをお願いしようかなーと悩みましたが、
ペンも持っていなかったので結局やめちゃいました。
ちょっと勿体無かったな。

こちらの劇団は、本当に毎公演、期待を裏切りません。
次回公演の案内はありませんでしたが、今からとっても楽しみです。

雲へと手を伸ばす

読書覚書

・「坂の上の雲」司馬遼太郎
文庫本全8巻、一気に読了。すごくすごく感動しました。
兎に角この頃の歴史や背景や時代の流れが、非常に判りやすいです。
疑問に思っていた事や、曖昧だった事が、これで随分はっきりしました。
何より、文句なく面白いんですよ!
説明も長いし、専門的な言葉も多いし、恋愛的要素はほぼ無し、
本篇から横道に逸れたり、主人公の存在感が無くなったりもしますが、
それでも物語にぐんぐんと引き込まれます。
特にクライマックスに向かう後半、読んでいてテンション上がってきました。
作者の力量を改めて思い知りました。素晴らしい。

ちなみに、旅順攻略の児玉氏のカッコ良さには、かなりときめきました。堪らん。
wikiの写真ではなかなか貫禄あるお爺様で、更に激しくときめいてしまった。
どうも私は、天才肌とか、智謀の持ち主とか、軍師様に弱いらしいです。

氏の作品の中でも人気が高い理由が判りました。
同時に、作者が何故死ぬまで映像化を拒否したのかも、何となく納得。
NHKはそれをきちんと理解した上で、覚悟を決めて、踏み切ったのかな?
ドラマは見ておりませんが、要らぬ改ざんをしない事だけを切に願います。

世阿弥晩年の作品

能公演を観劇。もしかすると、こうして能楽会館に観に行くのは初めてかも。

テンポの良さ重視の小演劇に目が慣れているので、
歌舞伎もまたそうなのですが、独特のスローテンポに慣れません。
あまりに動きがゆっくり過ぎると、どうしても眠くなります。
でもそれがあるからこそ、別の動きが強調されるのでしょうね。
時々、はっと目を引きつけられる瞬間があります。あれは不思議だった。

個人的には寧ろ、音楽の方に興味が向いたかな。
もしかすると、ドラムの公演を見た後だからかも知れませんが、
太鼓や鼓の音の鮮烈さとリズムが非常に心地よく感じました。
帰りにちょこっとだけ話を交わした人曰く、
あの身が引き締まるような音が良いそうです。ふむ、成程。

古典芸能は奥が深いので、もう少しいろいろと勉強したいジャンルです。

フロムアフリカ

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観客参加型のエンターテイメント「ドラムストラック」を観て参りました。
客席に一つづつドラムが置いてあって、舞台に合わせて一緒に演奏します。
夏休みの子供向け公演なのかな?子供連れの家族が非常に多くて、
公演前に子供がロビーにてドラム演奏をしていました。

以前和太鼓集団「TAO」を観ましたが、要はそれのエスニック版です。
こういった原始的な音楽は、言葉やお国柄に関係なく万国共有できますね。
ノリの良いリズムは心地好く、一緒にドラムを叩くのも楽しいです。
実際自分がやってみると、彼らのドラムテクニックが如何に凄いものか、
改めて理解することができます。スピードについて行けないよ…。
子供が全然関係のないところでドラム叩いてしまうのは、まあご愛敬でしょう。

ただ、観終わった後、何となく物足りなさを感じたのは何故だろう。
公演時間の短さ?座席がものっそい後ろだったから?
アンコールの少なさ?先日超大作を見たばかりだから?謎です。

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