記事一覧

ジャパンの秘密

春(コミ)の青春18きっぷ旅行小ネタ

今回、輪島の漆器資料館にて漆器についてのいろいろを知りましたが、
その中で自分的にへえと驚いた点が三つあります。

・布着せ
椀の縁や割れやすい部分に布地を張りつけて、強度を補強する技法。
輪島塗に限らず、各地の漆器産地ではよく使われている技法だそうです。
漆器の薄い縁の部分には、実はこんな秘密が隠されていたんだぞ。

・呂色
職人が自分の掌や指先を使って磨き上げて、漆の艶を出す技法。
呂色前、後を比べると、鏡のような艶の差は歴然です。
これを知った時、職人さんの指に指紋があるのか、いらん心配をしました。

・刷毛
漆塗りに使用する一部の刷毛は人毛、特に女性の髪で作られたものなのです。
げっ、と引く人もいるかと思いますが、個人的にはほう!と感心しました。
職人さんは、娘さんや、お孫さんの髪を使った刷毛を使ったりするそうです。

蓄積された伝統や職人さん達の技術力もさることながら、
ひとつを作り上げるだけでも、塗って、磨いて、乾燥して……と、
百以上の工程を経て、手間暇を惜しまないので、
かなりの時間を有するんですよね。
それを知ると、そのお値段も成程納得のいくものになります。
昔はこのひとつの漆器を何代も親から子へと引き継いで、
長い時代をかけて、とても大切にされてきたんですよね。
なんだか、マイセンコレクションにも通じるものを感じました。

もしもしの先は

姉と電話で話をすると、時々甥っ子が電話口に出ます。

久しぶりの電話、姉と甥っ子と交互に交代しながら、
会話にならない会話をしていると、母が買い物から帰宅。
話も終わっていたし、丁度良いやと母に電話を交代。
そのまま自室に居たのですが、暫くしてから母がやって来て、
電話の子機を託されました。繋がる先は甥っ子。
どうやら、母と電話を代わってからずっと、
「おーちゃん、おーちゃん!」とこちらを呼んでいたそうです。
なんでだろう? と疑問に思っていたら、時々電話口に出る姉曰く、
母に電話を渡した同じタイミングで、向こう側でも甥っ子と電話交代した模様。
「おーちゃん!」と思って耳を当てた電話の声が、
突然「ばーちゃん」に代わった事に違和感&びっくりしたようで、
電話の向こうの甥っ子は凄く変な顔をしていたそうです。

ウィザードだの、インフィニティだの、電車だの、
何が言いたいのか良く判りませんが、その意気込みだけは伝わる電話の声。
「おーちゃん、えいが、つれてって」とも言ってました。
GWの時、ちゃんとお薬飲んだら、また一緒に行こうって約束したもんね。
約束は守らなくちゃなあ。特に子供との約束は、絶対守らなくちゃ駄目だからね。
夏、姉の所に行けたら良いんだけど……どうなるかなあ。

退廃的で耽美な

映画を観てきました、寺山修司監督の「上海異人娼館」です。
ミニシアターでの上映でしたが、予想以上に席が埋まっておりました。
男女年齢層問わず、芸大にいそうなタイプの人が多かったですね。

内容は、一言で表現すると「ポルノ」です。セックスシーンが露骨に出ます。
それもその筈、原作は過去何度も発禁に遭ったエロス文学「O嬢の物語」、
その舞台を上海の租界時代に移したものですが、
それに寺山氏独特の小技がスパイスのように隅々に散らされておりました。
こう、アスファルトの水溜まりに浮かぶ漏れたオイルの七色のマーブルが、
レンズ越しにフィルター掛かっているような、そんな映像。
ここで虹とかシャボン玉とかと表現しない辺り、どうぞお察し下さい。

面白いなと思ったのが、日本語、英語、中国語、フランス語、
四カ国語が入り乱れているにも拘らず、違和感が無いんですよね。
あの時代の中国は、案外そんな感じだったのかもな。
そして、チョークで描いた「四角」の抽象性。
「レミング」の舞台でもありましたが、これ良いなあ、面白いなあ。
寺山氏の熱烈なファンとは決して言えませんが、こんな所がツボにきます。
あと、SMは苦手ですが、意外に寺山氏の映像では大丈夫でした。
この見世物小屋系のインチキ臭さが、リアルさを感じさせないからかな。
ビジュアルは確かに綺麗なので、アート的な位置付けに感じるのかも。

フランスでは評価が高かったらしいですが(これホントに?)、
確かにフランス兄ちゃんなら、この愛とエロスを熱く語りそうですね。
ドイツさんも興味深く鑑賞しそう、ジャーマンズ真顔で。
それにしてもこのストーリー、オリジナル二次創作問わず、
18禁の同人ネタとして、ものっそい流用できそうだな。

ファイル 1216-1.jpg

今年は寺山氏の没三十年と言う事で、その企画の一つの上映。
各地でその関連企画や、公演も行われるようですね。
折角なので、この機会に彼のアングラ世界にどっぷり浸ってみよう。

お洒落系カフェ

カフェメモ……って程でもないかな。
久しぶりに「アフタヌーンティー」のカフェに足を運びました。
理由は、「アフタヌーンティーのアップルパイは激うま!」と、
仕事場のとある方に、物凄ーく熱くプッシュされたからです。
カフェの利用は何度もありましたが、スコーンとかは兎も角、
アップルパイって食べた事あったっけ? と気になったのですよ。

三種のデザートをチョイスできるプレートをお願いしましたが、
季節限定の桃のケーキと杏仁豆腐と、そして噂のアップルパイを選びました。
アップルパイは、確かに美味しかったですよ。
でも、個人的には、某アジアンカフェのアップルパイの方が好きかな。
寧ろ今回は、紅茶の方が「あ、美味しい!」と思いました。

ファイル 1215-1.jpg

それにしてもこの器、ビジュアルは非常に可愛いのですが、食べ難くね?

雨は止みました

春(コミ)の青春18きっぷ旅行メモ

ウミネコの声を聞きながら、朝のお目覚めをしました。
朝食をしっかり頂いて、宿を出て、向かったのは輪島名物朝市です。

ファイル 1214-1.jpg

小さなメインストリートの出店は、せめぎ合うようなものではなく、
地方の田舎らしく、のんびりまったりしたものでした。
普段自分の地元ではあまり見ない魚や食材もあって、
いろいろ欲しかったのですが、この先も続く旅程に断念。
荷物が多くなるので、極力買い物は避けました。

立ち食いしたお饅頭が、あったかくって、素朴で、凄く美味しかった。
これ、また食べたいなあ。

海の見える民宿

春(コミ)の青春18きっぷ旅行メモ

この日は民宿に泊まりました。食事付きの宿泊なんて久しぶり。
流石は海辺の町。お魚がすごく美味しかったです。

ファイル 1213-1.jpg

雨風が強くて、あんまり歩き回れなかったのですが、
天気予報を見ていると、台風になりそうな勢いだったんですね。
何とか峠を越えて、翌日から持ち直すようでしたが、
微妙な晴れ女運が、微妙に発揮されたのかな?
とりあえず、自分にポジティブに解釈します。

地元ならではの

春(コミ)の青春18きっぷ旅行小ネタ

漆器絵付けの小豆知識。
漆の絵付けには幾つかの種類がありますが、
その中でも良く知られているのが蒔絵と彫金です。
蒔絵は筆に漆を付けて描き、その上に金粉をまぶして、
漆自身の粘着力を使って絵を付ける方法。
彫金は彫刻刀で表面を削り、その溝に漆を塗り、
そこに金粉をまぶして絵を付る方法。

今回、絵付け体験で挑戦したのは前者。蒔絵の方でした。
彫金の方はそのまま当日完成品を持ち帰ることが出来ますが、
蒔絵は乾燥などの手順が必要になる為、後日自宅配送になりました。
ちなみに、輪島にあるとある病院では、新生児のへその緒を
輪島漆器の小箱に入れて下さるそうです。豪華じゃないか。

「ジャパン」の名を掲げる漆器。奥が深くて、とても興味深いです。

三歳でちゅよ

気付けば、ヘタリアサイトが三周年を迎えておりました。
某サイト様のイラストに触発されて、衝動的にヘタを書き始めたのですが、
まさかそれが三年も続き、更には二冊もオフ本を発行するとは……。
いやはや、人間、何がどう転ぶか判りませんな。萌え的な意味で。

それに担って、今年もサイトデザインを変更しました。
何処かおかしい所とか、見難い所は無いかな?
基本、ストレスの無い軽いサイトを目指してはおります。
前回のは、ちょっと重かったからなあ。

現行の長編が三年目に突入と言う、恐ろしいマイペースっぷりですが、
これからもこの調子でのほほんと続けて行く所存でございます。
こんな離れ小島サイトに足を運んで下さる皆様に、心からの感謝を。

まさに温故知新

春(コミ)の青春18きっぷ旅行メモ

雨も風もなかなか落ち着かず、一つ所に長居するのもアレなので、
少し離れた場所にある「輪島資料館」へ行きました。
二階の資料館をかなりのんびり見学した後は、
一階の物販コーナーで係員さんにいろいろ説明して頂きました。
散々悩んだ挙句、お勧めして頂いたフリーカップを購入。
正直、最初は買うつもりは殆ど無かったのですが、
資料館で職人技や出来上がるまでの手間の掛かり具合などを知ると、
やっぱりどうしても欲しくなっちゃうんだよなあ。
ええ、単純&流されやすい自覚はありますとも。

凛とした漆黒と朱赤の深みは、漆ならでは。
思い切って買って良かったな。大切に使おう。

壁抜け男の残像

舞台観劇してきました、「レミング~世界の涯までつれてって~」です。
寺山修司主催の劇団「天井桟敷」の最終公演を、
維新派の松本雄吉が演出するとは、なんというcottonホイホイ。

観終わった後、先ず「賛美両論がはっきり分かれるだろうな」と思いました。
寺山氏の原作は未見ですが、所謂不条理系の舞台なのかな?
天井桟敷のインチキ臭い見世物小屋の猥褻感がかなりマイルドになり、
維新派の独特の突き抜けたアート感がスタイリッシュな味になっていました。

ファイル 1209-1.jpg

基本、ストーリー性のある舞台の方が好きなので、
維新派の舞台は自分でも驚く程に当たり外れが激しかったりします。
今回は……結構微妙。でも、やっぱり観て良かったです。
「良く判らん」とは思いつつ、この強烈なインパクトって、
維新派以外ではまずお目に掛かれないんですよね。
理解するのではなく、居合わせ、体感し、感じ取る舞台……それが維新派。
寺山氏同様、多分日本の演劇界で伝説になるだろうな。
今後も気になる公演があれば、足を運ぶでしょう。
何だかんだ言いつつ、維新派に侵食されております。

常盤貴子女史は、良く出演を引き受けたな。彼女である必要はあったのか?
松本氏は役者の「個」を無くして一種オブジェと化させますが、
ある意味寺山氏もそうなのかも……と、今回の舞台で思いました。

ページ移動