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さくっと美味しい

家で作ったデニッシュが失敗して悔しかったので、
パン屋さんにてデニッシュパンを買ってきました。
青森りんごデニッシュと、マンゴーデニッシュと、オレンジデニッシュ。
デニッシュばっかり。むしろデニッシュのみ。幸せ。ふふ…。

やっぱり家で作ったものとは違って、生地は層がしっかりさっくりして、
フルーツととろけるカスタードが相俟って、とっても美味しかったです。
そうだよね、これがパン屋さんの熟練の味なんだよね。
素人がこの味を出そうと思うのが、そもそもの間違いなんだよ、うん。

バターたっぷりだろうなーとか、カロリーオーバーだろうなー…とか、
充分判っちゃいるのですが、この手の誘惑にはとことん弱いです。
食いしんぼ万歳。美味しいは正義。ダイエットは明日から。
今度のカフェ部活動には、パン屋さんも視野に入れようかな。

壊れて消えた

8月のお題、「鬼灯」「夏祭り」「シャボン玉」より、小噺。

ジャンル違い、要注意。
以下、楊太小噺です。



「ただいま、師叔」
「お帰り、楊ぜん」

最近、帰宅がやたら早くなった。残業は極力避け、帰宅途中に近所のスーパーに寄るのも忘れない。同僚に気味悪がられるほど、規則正しく毎日まっすぐ家に帰る。
理由は、彼だ。
「のうのう、桃は買ってきたのか」
「ありますよ、はい、師叔」
買い物袋から取り出すそれを差し出すと、彼は実に嬉しそうに笑う。
テーブルに乗り上がり、自分の頭よりも大きなそれを、両手で抱えるように抱きしめて頬擦りした。

師叔は、何の気なしに買った、鬼灯の実から出てきた。
小憎たらしくて、口が悪くて、我儘で、食いしん坊で、気まぐれで、そしてとても可愛い。
彼のお陰で、味気の無かった毎日が、酷く楽しく思えるようになった。
それは、どれを取ってもさり気無いものばかりだけど…家に帰ると電気が付いていたり、面白い映画を見て感想を言い合ったり、美味しい料理を分け合ったり、声をかけると返事が返されたり…でも、どれも今までの自分の生活には、欠けていたものであった。
どうやら自分は、自分が自覚していたよりも、一人の生活が寂しかったらしい。
彼にそれを知らされるまで、全く気付かなかった事だけど。

「む、何だこれは」
スーパーの袋の奥に押し込まれていた、それに気が付いたようだ。
大好きな桃を隣に置くと、よいしょと身を乗り出し、袋の中へと頭を潜り込ませる。取り出したのは、瓶を形取った、極彩色の安っぽいプラスチックケース。子供用の玩具のシャボン玉だ。
昔懐かしいそれに、ほお、と師叔は目を瞬かせた。

庭に面した窓を開け、ケースの蓋を開けると、付属のストローを差し込んで。
「はい、どうぞ」
支えてますけど、大丈夫ですか?
「うむ」
子供用のストローも、小さな彼には頬張る程に大きい。大口を開けて咥えると、師叔は思い切り息を吹きかけた。
ストローの先からは、オーロラ色のシャボン玉が、無数に宙へと吹き飛ばされる。黄昏空の色をそのまま映し出した儚い半透明の球体は、ふわりふわりと夏の庭を漂った。
「綺麗だのう」
「そうですね」
いつも利用している駅前スーパーは、只今絶賛夏祭りキャンペーンの真っ最中だ。そのくじ引きに参加したのだが。
「参加賞は、これだったのか?」
「一等は南の島の旅行券で、二等は高級桃の詰め合わせだったんですけどね」
結構狙っていたのに、残念です。
「お主のくじ運も、随分乏しいのう」
かかか、と笑う師叔に、わざとらしく目を見開く。
「僕、くじ運は良いんですよ。もの凄くね」
「これでか?」
「だって、ほら」
つん、と指先で小さな鼻先をつついてやる。
「僕のくじ運って、最高じゃないですか」
何と言っても、ここに貴方がいるんですから。あんなに沢山の鬼灯があった中から、貴方を当てたんですよ。
にっこりと優しく笑うと、師叔はじいっと見上げてきた。
そして、はっと思い出した様に我に返ると、落ち着きなく視線を動かし、もごもごと口の中で何かを言う。聞きとれない音量に、何ですか?と顔を寄せると。
「だったら、わしの方がくじ運が良いのだっ」
あれだけ沢山の人の中から、お主に当たったのだからのう。
怒ったようにそう言うと、誤魔化す様にシャボン玉のストローを頬張った。
真っ赤に膨れた師叔の頬は、ほんのり朱い。成程、やっぱり、彼は鬼灯の精かも知れないな。だってその色は、夕焼けよりも、熟れた鬼灯の色に近いじゃないか。

彼の作るシャボン玉は、大きく膨らみ、宙へ漂い、そしてぱちんと跡形も無く消えた。
もうすぐ夏が終わる。
庭の隅には、枯れ始めた鬼灯の鉢植えが、静かに佇んでいた。



最初は「鬼灯」だけのつもりでした。

黄昏を見上げる

ファイル 93-1.jpg

BGMはひぐらし。

その手を掴んで

8月のお題、「夏祭り」より、小噺。

ジャンル違い、要注意。
以下、悟チチ小噺です。



櫓を建て、飾り付けをし、出店の準備をして、夏祭りはささやかに、和やかに催された。
都から離れた田舎だけに、住民の殆どが高齢者の村である。
そんな中、体力のある若い力持ちは、随分重宝された。
大食漢の胃袋を支えた料理の腕は、酷く喜ばれた。
新参者の新米夫婦が、この村に受け入れて貰えたのだと実感できて、嬉しかった。
生活をするこの場所で、皆の役に立てた事が、必要とされた事が、誇らしかった。

「夏祭りなんて、オラ初めてだったぞ。すげえ、楽しかったな」
祭りの終わった帰り道、そう言って夫は無邪気に笑った。

通常人が生活を営む中どうしても何ら形で社会や地域に関わりを持つ。
しかし彼には、生まれた時からそれがなかった。
祖父亡き後は一人で、山を出た後は、そのまま修行三昧の生き方をしてきた彼だ。
それが悪いとは思わないが、酷く寂しい生き方だ、と思えた。
確かに夫は、普通では考えられないような経験もしている。
生死を渡り合った、真の友達がいる事は知っている。
その力が神さえも超え、世に尊ばれる事も知っている。
だけど、この人には「根」が無い。
浮いているのだ。

夏祭りなんて、田舎でも都会でも、何処でだってある。
でも多分、夫が知らないのは夏祭りだけで無い。
自分は、ささやかでごく普通の経験を、当たり前に親が与えてくれた。
しかしそんな時、彼は黙々と肉体を鍛える事だけに、全てを費やしてきたのだ。
ただ一人、この世の「当たり前」さえ知らず。
誰かに何かを与える事も、与えられる事も、日常の中で必要とされる事も無く。

「なあ、悟空さ」
「ん?」
「来年も、再来年も、その先も、また一緒に夏祭りに参加しような」
「ああ、そうだな」
自分は、彼を繋ぎ止める、杭にならなくてはいけない。
今はもう、世の中は平和になったのだ。
彼が犠牲となり、たった一人で世界を背負う必要はない。
ふわふわと浮いてしまう彼の腕を、人として生きる為に、繋ぎ止めなくてはいけない。
「来年の夏祭りも、楽しみだな」
当たり前の幸せを与える事が出来るのは、彼にとっての家族である、自分なのだ。



走り書き。
生物学的に、人間は群を成す動物だそうです。単体では生き残れない。
もっときちんと練って、形にしたいエピソードの一つ。

ブルーベリーで

ファイル 91-1.jpg

デニッシュパンを作ってみました。勿論、失敗。
私には難易度が高過ぎました。がっかり。

パン屋さんで売っているような綺麗な層が出来ず、
打ち粉を多く使い過ぎて、粉っぽくなっちゃいました。
パイ生地なんかは、真夏に作るもんじゃないな。
暑くて生地が、直ぐにでろでろになってしまうんだもん。

去年はベーグルとかバターロールを沢山作っていました。
やりだすと、パン作りって結構面白いんですよね。

王子さまとお姫様

ハーレクインネタでGO!第三弾。ロイヤルウェディング編。
ジャンル混合要注意。



●楊太の場合
動物病院で働く太公望は、院長の代理で国王の愛犬である
哮天犬の出産に立ち会う為、宮殿へ赴く事になった…!?

・動けなくなっていた海鳥を助けた師叔に
太「見て下さい、王子。綺麗な鳥だのう」
楊「…判っていないのは貴方ですよ」
太「殿下?」
楊「綺麗なのは、貴方の方です、師叔」

・クッションに横になる王子に抱き寄せられて
楊「貴方もほら、一緒に寝ましょう。もう2、3時間で夜明けですから」
太「殿下がこんな所で眠るなんて。哮天犬にはわしが付いています」
楊「僕の事は、貴方になついているレトリバー犬だと思えば良いです」
太「…おお、成程のう」
楊「あっさり納得するんですね(苦笑)」
太「何を言うか、レトリバーは良い犬だぞ」

王子様でも、師叔には敬語。
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●悟チチの場合
小国の王女チチは、間もなく身勝手な大国の王子と政略結婚する。
チチには、幼い頃より淡い恋心を抱いた悟空侯爵がいたのだが…!?

・幼い頃の、淡い思い出。
チ「ここはお城の古い地下道だべ」
悟「姫に危険が迫ったら、オラが此処を使って助けに来るさ」
チ「ふふ、本当に?悟空さ」
悟「約束だ、姫」
チ「じゃあ悟空さを、おら付きのナイトに命じるだよ」
悟「(膝をついて)ありがたき名誉です、殿下」

・大人になって、苦しい再会。
悟「多忙の王子の代わりに、花嫁になるおめえを迎えに来たんだ」
チ「おらはもう子供でねえ。嘘をつかれる方が傷つく大人だべ」
悟「そうか…だけど、オラはおめえのナイトだからな」
チ「憶えててくれたんだなや」
悟「約束しただろ。生涯をかけて、オラは姫を守るって」

チチさんがお姫様ってのは、違和感ありませんね。
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両親に感謝する日

8月のお題...鬼灯・夏祭り・シャボン玉

「鬼灯」
黄昏時の向こうに、茜色の提燈が灯る。黄泉の道へはどちら?



先日、サプライズでお誕生日のお祝いをしてもらいました。
プレゼントを送ってくださった某御方にも心より感謝。
とってもとっても嬉しかったですv

夏休みのまっただ中に誕生日を迎えるので、
子供の頃は友人にお祝いってしてもらう事は殆ど無かったんですよね。
この年齢になると誕生日なんていらない!とも思えちゃうけど、
それでもお祝いしてもらえると、照れくさいけど、やっぱり嬉しいです。

セレブは魅力的

ハーレクインネタでGO!第二弾。
ジャンル混合要注意。

●楊太の場合
太公望の双子の妹である邑姜は、億万長者で有名人の婚約者がありながら、
その親友の姫発と恋に落ちてしまう。そのゴシップから妹を守る為、
元婚約者である楊ぜんの恋人役を演じる羽目になったが…!?

太「おぬしのべたべたは過剰なのだっ」
楊「貴方の不足分を補っているんですよ」
太「だからってやり過ぎだっつーの」
楊「サービスの一環ですよ。ちゃんとエスコートしますよ、ベットまで」
太「いらんわ、だあほ(べー、と舌を出す)」
楊「はいはい、残念だなあ(可愛いんですよね、何だか)」

太「邑姜達みたいな、本物の恋人同士には程遠いのう、わしらは」
楊「貴方さえお望みなら、僕はいつでもオーケーですよ」
太「アホかい。っつーかお主、腹が立たんのか?恋人を親友に取られて」
楊「姫発は最も大切な友人です。心より祝福していますよ」
太「邑姜が好きではなかったのか?」
楊「彼女はとても優秀で、パートナーとしては最高だと思ったので」
太「はあ?」
楊「昔、姫発にそう言ったら、呆れられましたけどね」

ドライな結婚観の王子。でもあの日僕は<以下略
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●カカチチの場合
秘書のチチは仕事をしながら、幼い息子を育てるシングルマザー。
傲慢な社長カカロットに振り回されつつ毎日を頑張っているが、
ある日彼がとんでもない相談を持ち掛けられてしまう…!?

カ「今日は評判は上々だった。君の秘書は優秀だってな」
チ「まさか」
カ「お陰で大口の取引も増えそうだ」
チ「お役に立てて、何よりですだ。社長」
カ「…二人きりの時は、カカロットで構わねえよ。チチ」
チ「そんな…お、おらはただの秘書だべ」
カ「これは命令だ、チチ」

カ「凄いな、今日もオレの好物ばかりだ」
チ「社長が食事に誘って下さっていたので、覚えていただよ」
カ「…なんだ、つまりオレに関心があったってことか」
チ「ち、違いますだっ!」
カ「そんなにムキになることねえだろ」
チ「何でも覚えて先回りしないと、社長が暴君になってしまうからだべ」
カ「はは、確かにそうかもな」

真面目な秘書と偉そうなボスネタなら、悟空さよりもカカロットでしょう。
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今回はややあっさりめ、やや少女漫画テイストなネタを選択。
古今東西、やっぱりお金持ちは魅力的ですな。

買い物がしたい

夏のセールに行ってないよ…何たる失態。

今年はセール前にえらく散財したし、沖縄旅行にも行ったし、
節約を心掛けてはいたのですが、いたのですが…嗚呼。
今度の休みに行こうかとも思ったのですが、予定が入って無理。
凄く気になっていたものが2、3あったのですが、
流石にこの時期まで残っちゃいないだろうな、めそ。

買って後悔するタイプと、買わないで後悔するタイプがいますが、
もしかすると自分は後者かもしれないな。
そして、自分の首を絞めるんですね、あっはっは。
いい加減、この年齢で財布に小銭しかない状況が日常なのは、
我ながらどうかと思う。いや、マジで。
最も、無駄使い防止の為の、強硬手段でもあるんですけどね。
<凄く気になっていた2、3が買えなかった理由

乙女のロマンス

ハーレクインロマンスネタでGO。
ジャンル混合要注意。

●楊太の場合
弁護士の楊ぜんは、家柄だけで太公望を誘惑し、結婚後も不実を重ねた。
しかし有るきっかけで、まるで別人のように楊ぜんが穏やかになり…!?

・鬼畜系王子要注意。
楊「さあ、師叔。お相手お願いします」
太「な、何を…」
楊「貴方でなくても良いのですが、約束してた女性が、駄目になったんですよ」
太「だ、だったら、プロの元へ行かば良かろうに」
楊「ああ、そのままで結構ですよ、貴方の肌が見たいんじゃない」
太「わしの体では満足できんのだろうがっ」
楊「奥さんなんて、その程度で充分ですから」

・鬼畜王子独白。元ネタほぼそのまんま。
「僕を一番に愛しているのは師叔だ。
幾ら意地を張ったって、あの人の心は僕の思うまま。
いろんな女性を味わっているけど、いつも師叔を思い浮かべる。
あの人が嫉妬に苦しむのは楽しい―――。
小さな少女の様におどおどと涙を浮かべながら、責めるように僕を見て。
悲しみと怒りが強いほど、ベットのあの人の葛藤は大きい。
あれがいい。そんなあの人に実を沈める快感ほど、たまらないものは無い。
可愛そうな僕の師叔…」

もしかすると、鬼畜系は初めてかもしれない。
元ネタはこちら



●悟チチの場合
男性不信のチチの隣に引越してきたのは、野性的でマイペースで、
何処か浮世離れした雰囲気を持つ孫悟空と名乗る青年だった…!?

・入浴中に倒れて動けなくなった所、異変に気付いた悟空がやってきて。
悟「大丈夫か、おめえ」
チ「は、入ってくるでねえって言ったでねえかっ」
悟「んな事言ってる場合かよ(バスタオルを掛けてやりながら)」
チ「ひ、人を呼ぶだぞっ」
悟「(軽々と抱きあげながら)何もしねえよ。寝室は何処だ?」

・足を痛めて、絶対安静と宣告されたチチに。
悟「頼れるような家族か、恋人はいねえのか?」
チ「そんなの…誰もいねえだよ」
悟「そっか…じゃ、決めた。オラが世話してやるよ」
チ「ま、待つだよっ。そんなこと、勝手に決めねえでけろっ」
悟「だって、他に誰も頼る奴がいねえだろ」
チ「だからって、今日会ったばかりの人なんかにっ」
悟「仕方ねえだろ。怒るなら恋人もいねえ自分の境遇に怒れよ」
チ「(むかつく、この男)」

悟空さは、どんな状況でもデリカシーなんて知りません。
元ネタはこちら



いえ、ラブストーリーってどんなのだったかなーと
ネタを探して行きついた先がハーレクインだったのですよ。

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