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貴方は何色ですか

6月のお題、「紫陽花」より、小噺。



友達同士の約束を、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花はほの淡い秘密の色に染まった。

初めて恋をした想いを、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は青臭い迷想の色に染まった。

反発した親への怒りを、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は穏やかな寛容の色に染まった。

仕事で発生した憤りを、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は燻った諦念の色に染まった。

共に二人で結婚の誓いを、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は優しい日常の色に染まった。

誕生した子供への愛情を、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は新しい責任の色に染まった。

大切な人を亡くした悲しみを、紫陽花の木の下に埋めた。
翌年、紫陽花は深みのある感謝の色に染まった。

そして、今年もまた紫陽花が咲く。
今まで見た事も無い、鮮やかな色彩に染まって。



詩に近いのかな?これは。
我ながら、単純思考が見事に表れています。
人間性の深みが無いんだな…いてて。<自分で言って、自分で傷つく馬鹿
もっとじっくり練れば、もう少し面白い表現を考え付いたかも。
実はこれ、ちょっと怖いバージョンも考えていました。ふふ。

シーサーの島へ

6月の御題

「虹」
夢でも、希望でも、神の出現でも無い。その物理的現象に騙されるな



相変わらず、こんなところはとことんシビア思考です。



勢い余って、ツアー旅行を申し込みました。
スケジュールの都合上2泊3日なのがちと残念ではありますが、
久しぶりのダイビングは非常に楽しみです。うふふふふ。
それにしても、国内ツアーは10日前で申し込みを締め切る所が多く、
複数の旅行会社で断られました。うーん、油断していたな。
以前行ったサイパンかグァムって、一週間前を切って申し込まなかったっけ?
いえ、毎度突然思い立って行動する、計画性の無さが一番悪いんですけどね。

紫外線、きっついだろうなあ。日焼け対策だけは、万全を期せねば!
流石に年齢的に、日焼けをすると、もう取り返しがつかないよ;

お弁当の御礼に

先月、5月のお題「鈴蘭」「筍」「向かい風」です。

ジャンル違い、要注意。
以下、悟チチ小噺です。



身支度を全て整えた鏡の前にて。
チチは自分の手の平、髪、制服の袖、肩に顔を寄せ、くんくんと鼻を鳴らせた。台所にはパジャマ姿で立っているから制服は大丈夫、髪も洗ったし、何の匂いもしない筈…そう思いながら、勉強机の隅に置いている、その綺麗な瓶へと手を伸ばした。
綺麗な飾りの施された透明のそれは、先日厳選して購入した、鈴蘭をイメージした爽やかな香りのオーデコロン。
じいっと見つめ、少しばかり迷いつつ、そっとその蓋を開こうとした所で。
「おーい、チチー」
窓の外からの聞き馴れた声に、びくっと肩を震わせる。咄嗟にコロンは鞄に収めると、慌てて階段を駆け降り、台所に置いていたお弁当袋をひっつかみ、素早く靴を履いて、玄関先に飛び出した。
扉を開けたその正面、自転車に跨って待つ悟空を、むうっと睨みつる。
「もうっ。あんまり大きな声、出さねえでけろ」
チャイムがあるのに、大声で呼んで。朝っぱらから、御近所様に恥ずかしいだよ。
しかし当人は、彼女の怒りもどこ吹く風。さし出す特大サイズの弁当袋を、サンキューと嬉しそうに受け取った。それをリュックに入れて、ひょいと背負うと、ペダルに足を掛ける。ほらと促され、チチは唇を尖らせながら、後輪についたステップに足を掛けた。
見た目よりもしっかりした肩に手を掛けて、よっと乗り上がった瞬間、ふわりと太陽に似た匂いがした。
「大丈夫か?」
うんと頷くと、悟空はゆっくりと自転車を走らせた。立ち乗りはちょっと不安定だけど、この自転車の荷台は至極小さくてお尻が痛くなるし、これでも運動神経には自信がある。
それに、座ると彼の腰に手を回さなくちゃいけない。最近のチチは、それに何となく抵抗を感じていた。
手を置いた肩の位置に、ふと気付く。ああ、また少し、高くなったかもしれない。
同年代の男子に比較して、悟空は子供の頃からずっと小柄だった。ちゃんと栄養バランスを考えた食事をしないからか?両親が早世し、祖父と二人暮らしの幼馴染みに、チチがお弁当を作って手渡すようになったのは、中学に入って直ぐの事。
その甲斐あってか、特に今年、二年生に進級してからは、雨上がりの翌日の筍のごとく、日々にょきにょきと成長が目覚ましい。
「あ、今日は唐揚げだな」
あと、紫蘇の巻いた卵焼きだろ、胡麻和えに、きんぴら、それから…。
「ホント、良く分るだなあ」
毎朝見事に言い当てる悟空に、呆れると同時に感心してしまう。
「匂いがすっからな」
「お弁当、リュックの中なのにけ?」
背中に背負ったリュックの中のお弁当の匂いなんぞ、鼻に届く前に、自転車の向かい風に飛ばされそうなものなのに。
「前にも言ったろ。おめえからも匂いがすっからな」
これもあるから嫌なのだ、あまり体がひっつくのは。思わず眉根を寄せてしまうチチに、悟空が気付く事も無く。
「チチって、いつも良い匂いがするよな」
オラ、チチの匂いって、すげえ好きなんだよな。
ひょいと下から見上げてへらりと笑う悟空に、チチは唇を噛締めて、複雑な笑顔を返す。
肩にかけた自分の鞄の中。袋に入ったお弁当箱に、コロンの瓶がかたりとぶつかる音がした。



恋愛未満。意識しだす頃。
あえて自分的に最も苦手な、学生&ラブにチャレンジ!<え、ラブ?
女の子って、大体中学生ぐらいからかな?
デオドラントとか、シャンプーとか、チープ系コロンとか、
体臭や匂いをやたら気にするようになりますね。

今回の自分的実験ポイントは、
「お題の名詞こそ出せども、その物体自体は出さない」こと。
そして見事玉砕。向かい風がなあ…。
詰め込み過ぎて、全体のまとまり、バランスが非常に悪し。
あんまりポイントにこだわり過ぎて、無理するのも本末転倒か。

おたく国家の底力

お台場のガンダムを、ニュースで見ました。凄いですね、これ。
ガンダムはアニメを見た事も無いし、思い入れもありませんが、
ここまで凄いものになると、ちょっと好奇心で見に行きたくなりました。
にしても、なんだ、この無駄に力一杯妥協の無い職人技術は!何だか愛しいぞ。
下手な物を作ると、国民的アニメだけにファンが怖い…ってのも勿論でしょうが、
それ以上に溢れんばかりの情熱的な何かを感じるのは私だけなのか?

ニュース写真を見ていると、何だかいろいろ考えちゃって、可笑しくなってきます。
企画の合否判定会議のメンバーはガンダム好きばかりで、
満場一致で可決されたんだろうな…とか。
現場の人達は、毎日の仕事が楽しくて仕方なかったんだろうな…とか。
「お父さん、今ガンダム作っているんだぞ」と、自分の子供に自慢する、
製作者が絶対いるよな…とか。
夢は叶った。しかしこれはまだ、あくまで第一歩にしか過ぎない!と、
本気で思っている男性諸君は多いんだろうな…とか。

おっぱいとガンダムは男のロマン…だっけ?
誰かが言っていたけど…成程。ある意味、非常に真理だな。

その世界の果てに

YOUTUBE繋がりで、こちら。
トップページにあったので、知っている人も多いかな?

―削除済み―

トップページで紹介されていて、再生回数も多く、
「ふーん、人気があるんだ」と、何気に拝見したのですが、とても感動しました。
台詞も無く、音楽だけでこれだけ伝える事が出来るなんて、本当に凄い。
これで自主制作か…世の中には、いろんな才能が埋もれているんだな。

黄昏時の空の色

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紫のグラデーション。

ゲッセマネの苦悩

「ジーザスクライストスーパースター」のCDが行方不明。何処行ったんだ?
余りに好き過ぎて、CDは2種類買っておりますが、両方見当たらないよ。
ipodにも入っていないし、今は動画サイトを眺めて心を慰めております。
うむむ、また買おうかな…本当はDVDが欲しいけれど、何故かこの名作、
映画版はVHSでしか販売されていない模様です。なんでやねん。

本作は劇団四季公演も観に行きましたが(ジャポネスクver.)、
自分的には珍しく、舞台よりも断然映画の方が好きですね。
歌に惚れ込んでいるからでしょう、日本語の歌詞には違和感を感じます。
何気なく口ずさむ曲は、大抵こちらのナンバー。どれをとっても名曲揃い。

―削除済み―

シンプルで実験的な演出が非常に面白く、映像に溢れるパワーに圧倒されます。
ユダの歌唱力は、何度聞いてもすごいな。パワフル&ソウルフル。

ちなみに、個人的にはヘロデ王の歌が好き。
この軽快で茶化したような、小馬鹿にしたような、リズムとダンスが、
極彩色の衣装と良い感じに相まって、妙に可愛らしいのです。

―削除済み―

新緑鮮やかなる

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木漏れ日が眩しい。

森林にひっそりと

ハイキングに行った母親が、銀竜草の写真を撮ってきました。
別名ユウレイソウ。葉緑素が無く、半透明で、神秘的で、とても綺麗だそうです。
珍しい植物で、なかなか見つけにくい…との話でしたが、
育ち難いのか、見落としやすいのか、開花時期が短いのか…意は不明。
根を持たないので、毎年同じ場所に咲かないらしいとか?
摘んでしまうと、溶けて無くなってしまうとも聞きましたが、本当かな?

この花は、とある都市伝説めいた、ちょっと怖い話とセットで記憶しておりまして。
高校の某英語教師が趣味でカメラをしてて、矢張り先生も撮影してて、
写真を見せて貰いながら、その逸話を聞いたんだっけ、確か。
母親にそれを話した所、えらく気味悪がって、デジカメのデータを消そうとしました。
否、そこまで怖がる話じゃないし?
てか、珍しい花なのに勿体無いって、それは!!

腐生植物で、意外に菌類では無い模様。
いろいろ不思議な話を聞くこのお花、一度はこの目で見たいです。

旬の竹と書いて

一カ月遅れですが、5月のお題「鈴蘭」「筍」「向かい風」です。
ちょいと試しで書いてみました。

ジャンル違い、要注意。
以下、楊太小噺です。



「良いか。筍は、足の裏で探すのだ」
土の上に頭を覗かせているのは、もう固くなってしまっておる。柔らかくて食べ頃なのは、まだ地中に埋まっている物でなくてはいかん。その尖った頭の感覚を、長靴の裏で確認しながら探すのがコツなのだ。
「良い筍を採れば、美味しい夕食が食べれるっちゅーことだ」
良いか、妥協をしてはならぬ。疲れたからと言って、適当に目に付いた筍を取るようでは、美味い筍にあり付けぬのだから、そこの所はしっかり覚えておくように。
「はい、すうす」
とくとくと説明する太公望に、神妙な顔つきで楊ぜんは頷く。
本当は「山の斜面の竹林に行くので、危険だから駄目だ」と言われたのに、駄々を捏ねて一緒について来た。その代わり、ちゃんと言う事を聞くと、ちゃんとお手伝いをすると約束したのだ。
だから、連れてきて良かったと思って貰う為にも、ここは頑張らなくては。楊ぜんは気を引き締めるように、太公望とおそろいの首タオルを、きゅっと握りしめる。
「よし。では、はじめっ」
合図と共に、二人の筍探索が開始された。
何と言っても今が旬の、初夏の味覚の代表格だ。
筍御飯は定番だし、天麩羅も美味かろう。おかか煮はお約束だが、中華炒めだって外せない。田楽風にシンプルに焼いたものに味噌を乗せてもイケそうだし、食べ切れない物は水煮にしておけば保存も利く。そうか、いっそ浅漬け風にしても良いし、メンマも作ってみようか。でもやっぱり採りたての今日は、贅沢に刺身で決まりだな。そうそう、帰ったら、日本酒も冷やしておかねばな…。
「すうすーっ」
「おお、楊ぜん。もう見つけたかっ」
でかしたぞっ。鍬を肩に、うきうき振り返る太公望に。
「はい、これっ」
すっごくきれいだから、すうすにプレゼントです。
差し出されたのは、清楚な鈴蘭の花。どうやら木陰に咲いていた物を見つけ、摘んできたらしい。
見つける物が違うであろうが。喉元まで出かかるそのツッコミは、天使のごとき満面の笑顔と、きらきらさせて此方を見上げる無垢なる瞳に押し留められ。
「…ありがとう、楊ぜん」
ぴう、と流れる向かい風に、煽られる前髪を遊ばせたまま。とほほと太公望はそれを受け取った。
「うれしいですか?すうす」
「うむ…うれしいよ」
「よかったです」
じゃあ、僕もっともっと探してきますね。
「ああ、楊ぜんっ」
探すのは、そっちじゃなくて。
呼び止められ、小さい背中が振り返る。
いたいけなる幼き瞳は、実に雄弁。すうすうれしいでしょ、すうすきれいでしょ、すうすほめてくれるでしょ、すうすよろこんでくれるでしょ…。
「…………足元に、気をつけてな」
「はいっ」
筍狩りは、まだ始まったばかり。



最初に思ったよりも長くなりました。
これなら、もっとコンパクトにまとめた方が良さそう。
あと、微妙に読み難くい?ネットを意識して、改行を増やすべきか。
そして相変わらずラブが苦手…これ、本気で何とかしなきゃな。

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